第四章
[8]前話
「そして描き続けることにしたよ」
「ライフワークが終わってもだね」
「まだ描き続けることにした」
「そう決めたんだね」
「うん、ある作品を読んでね」
そしてというのだ。
「こうした作品を自分も描きたいと思って」
「成程、断筆を決めていた人間にまた描かせるとはね」
「凄い作品もあったものだ」
「全く以て」
「考えてみたらこれまで四コマはなかったよ」
このジャンルの作品を描いたことはというのだ。
「だからね」
「四コマを描くんだ」
「これからはそうしていくんだ」
「そうなるよ、しかしね」
ここでだ、カサロヴァは笑ってこうも語った。
「ライフワークと思っていてもね」
「それでもだね」
「自分でそう思っていても」
「長く描いてきても」
「それが自分の最後の作品だと思っていても」
それでもというのだ。
「違ったりするんだよ」
「自分ではそう思っていても」
「描きたい作品は全部描いたと思っていても」
「まだ描きたい作品が出たりする」
「そうなんだね」
「そう、ライフワークと思っていても」
描いている作者がだ。
「違ったりするんだよ、だから僕はこれからもね」
「描いていくんだね、漫画を」
「そうしていくんだね」
「そうするよ、筆を折らずにね」
この考えは捨ててというのだ。
「描いていくよ」
「よし、じゃあ頑張ってくれ」
「君の作品は実際に面白いからね」
「これからも描いていってくれよ」
「ライフワークと思っていた作品は終わっても」
「これからもね」
「そうさせてもらうよ、やっぱり漫画を描くことはね」
このこと自体についてもだ、彼は笑顔で言った。
「楽しいよ」
「そうなんだね、じゃあね」
「これからも楽しんで描いていってくれ」
「そうするよ、自分が描きたい作品をね」
友人達に答えた、そして実際にカサロヴァは描いていった。自分が描いたいと思っている作品を。
ライフワーク 完
2017・4・13
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ