第一章
[2]次話
プテラノドンの三兄弟
その一家の巣は岩場にあった。そこで何不自由なく暮らしているかというとそうでもなく餌がある日もない日もあった。
三匹の兄弟がいたが両親は彼等に多くの餌を持って来られる日もあればそうでない日もあった。それどころかだ。
下の海に時折やたら首の長い恐竜がいるのが見える、両親はその恐竜達を見ていつも苦い顔をしていた。
「またいるな、あいつ等」
「ええ、そうね」
父も母も苦い顔で述べるのが常だった。
「何匹もいてね」
「俺達を狙ってるな」
「食べるものは何処にもあるのに」
「どうしてここに来るんだ」
両親はいつも苦い顔をしていた、そのうえで子供達に言うのだった。
「いいか、御前達は別の場所に行け」
「あんな怖い連中がいる場所にいたらいけないわよ」
「住みやすい場所は他にもあるからな」
「お魚も沢山いてあんな連中がいない場所がね」
「そこで暮らせ」
「そしていつも安心して暮らすのよ」
こう言うのだった、それで三兄弟は親達がいない間こんな話をすることが多かった。
「何処に行こうか」
「大人になったら」
「一体ね」
「餌が多くて首が長いのもいない」
「そうした場所っていうけれどね」
三匹でお互いに話をした。
「飛べる様になったら」
「何処に行こうか」
「それで暮らして行こうか」
「それが問題だね」
何時か飛ぶ時が来る、それも絶対に。そうして巣立ったその時にというのだ。
そしてだ、三匹は遂に巣立つ時が来た。両親は彼等に一気に空に出る様に言った。すると三匹共幸いにだった。
最初で空を飛ぶことが出来た、すると両親に早速言われた。
「もうそのままだ」
「遠くまで飛んで行きなさい」
「そしてだ」
「新しい場所で生きるのよ」
飛び立った子供達にこう言ってだ、彼等を送ったがだ。
三匹は空を飛びつつだ、互いに話した。もう海の上から陸の上を飛んでいる。そうしつつ話をしているおだ。
「何処に行こうか」
「具体的にね」
「餌が一杯ある場所だけれど」
「首が長いのもいない」
「そうした場所に行くにしてもね」
それでもというのだ。
「何処に行こうか」
「問題だよね」
「一体ね」
彼等は全くわかっていなかった、具体的に何処で暮らすのか。そうしたことを話しながら空を飛んでいるうちにだ。
夜になった、それで三匹共とりあえずはたまたま見付けた丘の上で休むことにしたがここで長男が周りを見て言った。
「ここならいいね」
「うん、そうだね」
次男も周りを見回して応えた。
「僕達の他に誰もいないね」
「あの首が長い奴もね」
三男は首長竜、エラスモサウルス達のことを話した。
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