第六章
[8]前話
「どんな味かって思ってたら」
「一つじゃないわね」
「レモン食べた後はレモンの味がして」
「梅の後は梅の味ね」
「そして甘い気分なら甘い味」
「甘酸っぱい気分なら甘酸っぱい味ね」
その時の心境が影響してだ。
「そうなるわね」
「そうね、それでだけれど」
ここで愛美は笑ってこんなことをも言った。
「女の子同士でキスすることね」
「えっ、あるの?」
杏美は所謂同性愛の話に引いて返した。
「それも」
「結構軽くする娘達もいるみたいよ」
「友達同士で」
「そんな娘達はね」
「私はいいわ」
少し苦笑いになってだ、杏美は愛美に返した。
「そうした趣味ないし」
「私もよ」
話を出した愛美もだった、正直なところ。
「やっぱりキスはね」
「男の子、それも好きな人とね」
「さもないとね、お口とお口だから」
「中々出来ないわね」
「そうそう、流石に友達同士でも」
「キスは無理よね」
「少なくとも私達は」
こう二人で言う、そしてだった。
ここでだ、愛美はこうも言った。
「それに今日のお昼餃子定食だったし」
「私ニラレバ定食だったわ」
二人共食堂で食べた。
「お口の匂いがね」
「だからね」
「ちょっと、よね」
「今キスはね」
二人で苦笑いで話した、キスの味を知った二人は今はそれはどういったものかと思うことはなかった、こうした話をするだけだった。
ファーストキス 完
2017・5・21
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