第一章
[2]次話
ファーストキス
加藤杏美はふとだ、友人の佐藤愛美にこんなことを言った。見れば杏美は少し茶色のした肩の高さで切り揃えた髪の毛に濃いめの眉と大きなピンクの唇と蒲鉾の形の大きな一重の目を持っている、胸はわりかしあり背は一五六程だ。赤地のタートンチェックのミニスカートと黒いハイソックス、紺のブレザーと緑の大きなリボンの制服がよく似合っている。愛美は癖のある首を覆う位の高さの黒髪にはっきりとした黒目がちのやや吊っている二重の目を持っている。薄い奇麗なカーブを描いた眉に小さいピンクの唇とやや面長の白い顔を持っている。制服は黒地で首やリボンが白くなっているセーラータイプの制服に紺地のタートンチェックのミニスカートだ、黒のソックスは膝下までだ。
「キスってどんな味なのかしら」
「キスの味?」
「そう、どんな味なのかしらね」
こう愛美に言うのだった。
「よく青春の味とかレモンの味とか言うけれど」
「あと梅?」
「甘酸っぱいってこと?」
「つまりは」
「そうなのかしら」
クラスの中で愛美に言うのだった。
「やっぱり」
「そう言われてもね」
愛美は困った顔で杏美に返した。
「私もそれはね」
「キスしたことないの」
「そう、だからね」
「具体的なアドバイスはなのね」
「ちょっとね」
杏美に困った顔で返すのだった。
「言えないわ」
「そうなのね」
「というかそう言う杏美も」
愛美は杏美にこう返した。
「まだなのね、キス」
「いや、高二になったけれど」
「彼氏いても?」
「それは愛美もじゃない」
「まあそれはね」
愛美は杏美の今の言葉に苦い顔で返した。
「何ていうか」
「ちょっと、でしょ」
「何とかね」
「勇気がいるでしょ」
「どうにもね」
「愛美はひょっとしてって思ったけれど」
もう経験済みかと思ったのだ、具体的には。
「実際はなのね」
「私もまだよ」
困った顔のまま返す、仕草も入れようとしたがどうにもといった調子で言い返したのだった。
「それはね」
「そうなのね」
「というかキスの味が知りたいのなら」
「実際にやってみろっていうのね」
「そうなるわよ」
こう杏美に言った。
「具体的には」
「そうなのね」
「高橋君としてみたら?」
愛美は杏美をじっと見て問うた。
「そうしたら?」
「そうね、知りたいのなら」
「実際にしてみるのがいいでしょ」
「実行が一番ね」
「言うより行えよ」
それが第一だというのだ。
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