407部分:第三十三話 孫策、山越を討つのことその三
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第三十三話 孫策、山越を討つのことその三
「酒と腕の強い者は好きじゃ」
「そうか」
鱗が応える。彼は辮髪だ。
「それは何よりだ」
「そういうこっちゃ。それでは」
「ああ」
セスが応える。
「今度の戦いだな」
「頼むぞ。わし等は先陣じゃ」
「はい、祭様がです」
「そして第二陣はです」
周泰と呂蒙また話す。
「私達が務めます」
「宜しく御願いします」
「頼んだぞ。さて、そういえばじゃ」
ここでまた言う黄蓋だった。
「藍里はかなり残念がっていたそうじゃな」
「はい、妹さんに出会えなくて」
「それで」
それが理由だというのだった。
「そのことをかなり残念がっているそうで」
「今はどうかわかりませんが」
「気持ちはわかるのう」
黄蓋は諸葛勤のその気持ちを汲み取って述べた。
「しかしじゃ」
「はい、それでもです」
「また機会がありますから」
「諸葛亮じゃったな」
ここで黄蓋はその妹の名前を出した。
「まだ子供じゃがかなりの傑物じゃったな」
「冥琳様が認められる程の方です」
「そこまでの方だと」
「それだけの人材、揚州に欲しいのう」
黄蓋は酒を飲みながら話した。
「今は各地を歩き回っているそうじゃな」
「はい、袁紹殿の次は曹操殿のところに」
「そして袁術殿のところにと」
「ややこしい面子ばかりじゃな」
黄蓋はその顔触れを聞いてふとした感じで述べた。
「特に袁紹に曹操はのう」
「はい、どちらも人間的に危ういものがありますね」
「特に袁紹殿は」
呂蒙は袁紹の方を問題視していた。
「実力はあるのに妙に劣等感が強く。歪な行動をさせています」
「いや、曹操もあれで危ういぞ」
黄蓋は曹操も同じだけだというのだった。
「宦官の家の娘ということを気にし過ぎて気負い過ぎておる」
「確かに。そういえば」
「曹操殿もですね」
二人は黄蓋のその言葉に気付いた。そしてだった。
「そこが孫策様と違いますね」
「安定感のなさもあるかと」
「あの二人とは距離を置きたいのう」
これが黄蓋の本音だった。
「袁術とは国境の問題があるしのう」
「はい、それも解決しないと」
「いけませんし」
「全く。世間はややこしい話ばかりじゃ」
黄蓋はまた言った。
「全く以てな。そしてじゃ」
「そして?」
「そしてといいますと」
「今からそのややこしい話を一つ終わらせることになるな」
こう言ったのだった。
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