第一章 聖者の右腕
聖者の右腕T
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も放出するわな、と考えつつ鎖を離した。槍自体は『必中の加護』の力で目標に設定された左腕に突撃し、その魔力を周囲の待機中に霧散させた。それと同時に左腕を槍で受け止めていた少女が自由に動けるようになった。が、右腕の襲撃に対応するには圧倒的に遅すぎた。なるほど少年が全力疾走していた理由はこれかと思いながら少女に襲いかかろうとする右腕の指の間を体を捻りながら通り抜けて槍の力で霧散した濃密な魔力の漂う一帯に突っ込んだ。同時に槍のルーンを暴走させて周囲の魔力を風に変える。膨大な魔力を消費して『造られた』風は上空から落ちてきた自分を受け止めるだけの力があったようで、一瞬は強烈な突風に吹かれたような衝撃があったものの、地面を数回転がるだけで済んだ。かなり無茶苦茶な作戦とはいえ、成功したのならよしとしよう。起き上がってまず見えたのは突然の闖入者に「ぬ??」と、目を見開いて驚く金髪の巨漢。それから槍の少女の盾になるように右腕を受け止めるパーカーの少年。その瞬間、少年から濃密な魔力が漏れだすのを感じた。人工生命体は巨漢の指示ですぐさま後退した。何事かと思った瞬間、少年が絶叫するとともに周囲が爆発的な閃光に包まれた。少女は槍を構えてそれに耐えたようだった。あの槍には破魔の力でも宿っているのだろうか。とにかく、少年から放出された魔力は雷の形をとって周囲の倉庫からタンク、そこら一帯を無差別に焼いた。至近距離にいた自分が無事でいられるはずもなく、その衝撃と魔力をモロに喰らうと体は軽々と吹き飛ばされ、崩れた何かにぶつかって魔力を放出しきって倒れる少年を最後に視界に入れてから意識はブラックアウトした。
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