第一章 聖者の右腕
聖者の右腕T
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ーーーっ??」
結果、絃神島に真っ逆さまという構図が出来上がったのだった。どうにかして対処せねば、と考えて下を見る。まずは着地先の確認からだ。選り好みをしている余裕はないのでパッと見た感じで土などのあまり固くなさそうな地面を探す。竜の目の恩恵で視力は自分の意思で人間の数倍に引き上げられるようになったし、夜目は利く。さあ土を・・・と思った矢先にここが人工島である事を思い出し公園でもないと土のある場所は街路樹の植え込みなどの狭い範囲のもので勝負しなければならない。そして見るにここは倉庫などが集まる地区。倉庫街のド真ん中に公園を作ろうとするバカなどいるはずもなく、儚い希望はあっけなく潰えた。よく見ればこの地区のあちらこちらで火の手が上がっている。少なくともさっき飛空艇から見下ろした時は特にこんな事にはなってなかったはずだ。何事かと思っていると不意に自分がいる所とは少し離れた地点に魔力を感じた。現在の状況に活路を見出せない以上、即興で思いついた一か八かの計画に賭けるしかない。アインは与えられたISの拡張領域から自分が打った石突きの方に4、5メートルの鎖がついた端から端まで真っ赤な色に染められた槍を取り出して魔力を流し込んだ。 その槍は柄の部分にびっしりとルーン文字が刻まれており、槍の表面に刻まれたルーン文字の一部が発光し、槍は『風』と『必中の加護』を意味するルーンの力を得て目で獲物を追う生き物のように、しなやかに、ただ一点を目指して高速で宙を舞った。もちろん、鎖を掴んでいるアインへの負担は相当に大きい。目指すは先ほど感じ取った魔力反応。目視はできなくても大まかな位置の特定さえできれば後からでも軌道修正はできる。そんな行き当たりばったりにも程がある計画だが唯一の救いか、この槍の性能は抜群にいいこと。魔力の変換効率からその威力まで申し分ない。振り落とされないように必死に鎖をつかんでいるとしばらく地面と平行に翔んでいたのに目標が近くなったのか、槍が急に下を向いた。近くなったか、とアインが穂先の先に感じる魔力反応を目視しようと視力を引き上げた。見えたのは、異様な光景。おそらく人工生命体であろう青い髪の少女と2メートル近い銀色の槍を使う中学生くらいの少女が戦っていたのだ。さらにその異様さを増すのがそれぞれの背後には大きな半月斧を持った短く剃った金髪の巨漢ともう片方は、槍を使う少女の後ろから全力疾走する白いパーカーを着た少年がいたからだ。しかも表には出していないが内側にとてつもなく強力な魔力を宿している。もうなにがなんだかわからない。そしてようやく槍に突撃させた魔力反応の正体がわかった。青い髪の人工生命体の背中から白く大きな腕が生えていたのだ。完全に生えているのは左腕だけだが右腕も生えかけているのか背中が多少膨らんでいる。そりゃでかい魔力
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