第十章
[8]前話
「そういうことか」
「そのあっという間に起こったことか」
「いや、そうした意味でもな」
「凄いシリーズやったな」
「ほんまにな」
彼等は口々に言う、それ故に忘れられないシリーズになった。この時には彼等はシリーズは終わったと思った。
だが阪神は日本一注目されるチームだ、勝とうが負けようが。それでこのシリーズも当然ながらそうなることであり。
ネットでも巷でもだ、とかく言われ続けた。
「またその話かい!」
「あのシリーズの話すんなや!」
「三十三対四か!」
シリーズの両チームの合計点数だ。
「ロッテ圧勝ちゅうんやな!」
「それで阪神惨敗かい!」
これがボロ負けの代名詞にもなった。
「関係ない時も出すな!」
「アニメ観ても書き込むなや!」
その三十三対四という数字をだ。
「阪神関係ないやろ!」
「何でいつも書かれんねん!」
こうしたことが何年も続き二〇一〇年再びロッテがシリーズに出ると。その二〇〇五年の動画が流され続け。
「何でや!阪神関係ないやろ!」
「阪神に恨みでもあるんか!」
「いつもいつも映像流すなや!」
「前の前のシリーズにせんかい!」
ロッテのだ、その頃のロッテはオリオンズといい中日と戦ってそのうえでシリーズを制覇し日本一になっている。
「阪神ばっかり流すなや!」
「もう観たくないわ!」
「あのシリーズの話するなや!」
「もう沢山や!」
このシリーズの話が続いてだった、しかも。
さらにだった、それからもアニメや他の分野での敗北の場面ではだ。
「33−4」
この文字がやたら流れる様になった、そして。
「何でや!阪神関係ないやろ!」
この言葉も書き込まれるのだった、全ては二〇〇五年からはじまったことだ。その記録にも記憶にも残るシリーズから。
嗚呼三十三対四 完
2016・10・22
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