第八章
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「敵地で胴上げじゃ」
「どんでんの胴上げや」
「リベンジリベンジ」
「やったるで」
ファン達は蘇った、そしてデイリーは通常運転だった。
「デイリーもこれからや言うてるわ」
「やっぱりこの新聞はちゃう」
「よお阪神を見てるわ」
まさに阪神ファンの阪神ファンによる阪神ファンの為の新聞だ、サンケイスポーツや夕刊フジの様に巨人という権力者へのおもねりもない。純粋な愛がそこにある。
「後がないなら上等や」
「背水の陣やで」
「後は勝つだけや」
「そう考えたらええんや」
こんなことを言ってだった、彼等は第四戦に挑んだ。阪神の先発は杉山、ロッテはセラフィニという顔触れだった。
阪神はこの試合まずはワンアウト一塁二塁とした、ここで先制点と思われたが。
何故かここでもだった、得点は入らなkった。それも一点も。
「ああ、残念やな」
「まあこういう時もあるわ」
甲子園の観衆は拍子抜けを感じた。
「まだ一回やし」
「まあこれから打てばええや」
「ほな次や次」
「二回からやで」
彼等はまだ一回なので落ち着いていた、しかし。
阪神の伝統としてチャンスで凡退するとその後で敵の攻勢がはじまるというものがあるのかも知れない。
この試合がまさにそうだった、フランコがツーベースで出ると。
李がホームランを放って先制した、そして。
四回に二番手の能見からまた李がだった、ツーベースtで得点をあげて。
三点目を入れた、だが阪神は。
四回五回とランナーを出したがそれでもだった、どちらも併殺打で終わっていた。
「またか?」
「嫌な流れやな」
「勝って欲しいのにな」
「三点位取って欲しいわ」
「今日はまだ十点取られてへんで」
「それやったら勝てるやろ」
「頑張って欲しいな」
偽らざる本音だった。
「李一人で三点やけど」
「まだまだこれからやで」
こう言ってだ、ファン達は阪神の反撃を祈った。その祈りが通じたのか。
六回裏にワンアウト一塁二塁とするとここからだった、セラフィニから交代した小野から今岡がヒットを放った。これでランナーが一人生還し。
「よっしゃ、一点や!」
「やっと点が入ったで!」
「ここから反撃や!」
「やったれ!」
「ダイナマイト打線復活や!」
かつて日本を震撼させたあの強力打線がというのだ、そしてここで阪神ベンチも動いた。ここを好機と見てだ。
「代打桧山!」
「よっしゃ、桧山や!」
「こういう時はやっぱり桧山や!」
「桧山頼むで!」
「ここで打ったら男や!」
甲子園の観衆はバッターノックスに向かう桧山に歓声を送った。桧山はその歓声に応えライト前に打った。
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