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SAO−銀ノ月−
瞬間
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of the Radius》を倒して手にいれた大剣があり、その大剣の一振りは一瞬にしてSAOボスを粉々としていった。

「なるほど。《SAO》のクリア特典ってことなのかしら」

「リズ! だ――」

「――大丈夫、よ。……ごめんね。忘れちゃっててさ」

 《SAO》のラスボスを倒したドロップ品として、ボスすら一撃で屠るクリア特典が手に入ったのだろう。そんなキリトが手にいれた大剣への仮説を提示しながら、隣で起き上がったリズに詰め寄ろうとしたが、先んじてあちらの指を顔の近くに置かれてしまい。それでも照れくさそうに笑うリズを見れば、《SAO》の記憶を取り戻していることは明らかで。

『……良かった』

「ちょっと、あんた……!」

『私のデータは、みんなの記憶と一緒に百層ボスに保存されていたから。もう、サヨナラかな』

 もはや共に戦った仲間となった悠那の声に振り向くものの、俺たちが《An incarnate of the Radius》を倒したことによって、ARで作られた姿は徐々に消え始めていた。リズたちの記憶を取り戻すということは、確かに悠那の蘇生を否定するということであり、この結末はもはや避けようのない未来だ。それでも見ているのは堪えられないと目を逸らした先には、悠那が死ぬ瞬間をもう一度だけ目の当たりにするどころか、悠那を殺すこととなったエイジと目があった。

「……いや、悠那。最期に、君の夢を叶えるんだ」

 その目は泣き腫らした目ではあったものの、それと同時に――決意を感じさせる瞳でもあった。その心中はどんなものか伺い知れぬまま、ライブのステージを指さしながら、消え行く悠那に向かってエイジは語りだす。

『……私の夢、覚えててくれたんだ。でも……』

「僕にだって、時間ぐらいは作れるから」

「――やめろ!」

 《SAO》で生前に一度だけ会った時、悠那は大きなステージで歌を歌うのが夢だと語っていたな――と思い返していたために、エイジが何を決意したのかにたどり着くのが遅れてしまい、警告はまるで間に合わなかった。《オーディナル・スケール》を起動したままだったエイジは、いきなり自らの片手剣を抜き放ったかと思えば、自らの足を深々と切り裂いたのだ。

『エーくん!?』

「僕の記憶の分だけ……歌ってくれ、悠那」

 するとエイジの《オーグマー》から、先ほどリズたちの手に戻った金色の飴玉が、逆にエイジから離れていく。さらにその輝きはリズたちのものとは比べ物にならず、まさか《SAO》だけではなく、これまでの悠那の記憶を全て――?

『バカ! エーくんのバカ! 何して――』

「――これぐらいしないと、アスナさんたちにどう償えばいいか……分からないんだ」

 愛する人の記憶が徐々に消えて
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