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盲導犬
第四章

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「何かと」
「何かとっていうと」
「だからあんた訓練受けてきたんでしょ」
「盲導犬のだね」
「そう、もう完全に身に着く位でしょ」
「そうだよ、何から何までね」
 そのお話になるとです、プリンスもミミにはっきりと答えました。
「大変だったんだから」
「それでその訓練が身に着いてるからね」 
「ひょっとして」
「察したわね、そうなのよ」
「盲導犬の訓練が完全に身に着いているから」
「ご主人の案内も出来るのよ」
「そうだったんだね」
 プリンスは納得した顔で頷きました。
「僕が盲導犬の訓練を完全に身に着けているから」
「ご主人も安心出来るのよ」
「そうなんだね」
「若しもよ」
 ミミはプリンスにあらためて言いました。
「あんたがしっかりとした盲導犬じゃなかったらどう?」
「ご主人を上手に案内出来ないね」
「大変なことでしょ」
「うん、ご主人は目が見えないからね」
「目が見えないと大変でしょ」
「その通りだよ、僕だってね」
 犬のプリンスにしてもです、犬は確かに人や猫程よく見えませんが。
「大変だよ」
「あんたはお鼻と耳で大体わかるけれどね」
「それでも目が見えないと」
 そんな犬でもです。
「大変だよ」
「人間だと余計によ、私やあんたよりずっとお鼻も耳も駄目なのよ」
「それで目がないと」
「どうしようもないの、人間は私達よりずっと目に頼ってるのよ」
「だからなんだね」
「あんたがしっかりしていないと」
 お外に出るその時はです。
「本当に困るのよ」
「僕がしっかりした盲導犬じゃないと」
「あんたにしっかりした盲導犬になってもらう為によ」
「僕にも他の皆にも厳しく訓練したんだね」
「何から何まで身に着くまでね」
「そうだったんだね」
「訓練も必要ってことよ」
 ミミはプリンスに言いました。
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