第一章
[2]次話
盲導犬
シェパードのプリンスは両親は共に警察犬でした、ですがプリンスのその大人しい性格を見て飼育係の人達は言うのでした。
「しっかりしている性格だけれど」
「大人しくて優し過ぎて」
「警察犬には向かないかも」
「悪い奴でも向かっていきそうにないな」
「そうだな」
こんなことを言うのでした。
「シェパードも盲導犬になれるし」
「じゃあそっちに回そうか」
「盲導犬の確保も大変だっていうし」
「この子はそっちか」
「盲導犬になってもらうか」
こうしてです、プリンスは警察犬ではなくです。
盲導犬になることになりました、それで盲導犬の飼育係の人達に預けられてそのうえででした。
盲導犬としての訓練を受けることになりました、そしてです。
その訓練をしていく中で、です。盲導犬の飼育係の人達は言うのでした。
「確かにこの子盲導犬向きだな」
「大人しくて優しい性格で」
「警察犬よりもこちらの方が向いているな」
「そうだね」
こう口々に言うのでした。
「盲導犬になるべくしてなった」
「そうした子だな」
「じゃあこのままだな」
「この子は盲導犬になってもらうか」
「そうなってもらいましょう」
こうしてです、プリンスは盲導犬としての訓練を続けられることになりましたが。
その訓練は犬達にとってはとても厳しくてです、彼等は休憩の時になると彼等の間でやれやれといってお話をするのでした。
「大変だよね」
「全くだよ」
「あれするなこれするなって」
「そこまでするのって位にね」
「あれもこれもって」
「覚えきれないわよ」
「ちょっと失敗したら怒られるし」
「何なの、ってことだよ」
皆不平たらたらです、疲れもしますし。
「厳しいね」
「何でここまでするのかしら」
「ここまですることないんじゃ」
「人を案内するだけなのに」
「どうして?」
「そうだよね」
プリンスも言うのでした、首を傾げさせて。
「ここまでやることないよね」
「ちょっとね」
「幾ら何でも厳し過ぎるよ」
「あれしろこれしろ」
「あれは駄目これは駄目って」
「我慢しろ、待てって」
「無茶苦茶厳しいよ」
他の犬達も言うのでした。
「何でかな」
「ここまで厳しいのかしら」
「あんまりにも厳しくて」
「そこまでって思うわ」
「どうしてなんだろう」
プリンスも首を傾げさせるばかりでした。
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