400部分:第三十二話 孔明、妹を得るのことその九
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第三十二話 孔明、妹を得るのことその九
最初にだ。馬岱が言った。
「あれっ、鳳統ちゃんって」
「そうなのだ。何か暗いのだ」
彼女と槍を交えている張飛も話す。
「孔明と一緒にいるのに」
「だからなのかな」
ここでふとこんなことを言う馬岱だった。
「若しかして」
「馬鹿言え、姉貴分だぞ」
馬超はこう考えていた。
「それで何でそんな風になるんだよ」
「いや、わからんぞ」
だがここで趙雲が言った。
「それはな」
「それは?」
「そうだ、どうも孔明は今はしゃいでいる」
彼女はこのことに気付いていたのだ。はっきりとではないがだ。
「それで鳳統は除け者にされている感じだからな」
「そうね。朱里ちゃんには悪気がなくてもね」
黄忠も言う。
「自然とそうなっているかもね」
「だとすれば問題だな」
関羽も青龍偃月刀を動かすその手を止めて述べた。
「朱里にとっても鳳統にとっても」
「じゃあちょっとついて行くのだ」
張飛がこう言った。
「鈴々も行ってそれで仲直りさせるのだ」
「この場合は仲直りじゃないんじゃないかしら」
神楽が今の彼女の言葉に首を傾げさせる。
「ちょっと」
「そうなのだ?」
「親密にさせることよね」
「そうね。けれど」
ミナはここで他の面々とは違う考えを述べた。
「安心していいわね」
「安心していい」
「どうしてなの?」
「それは」
「二人共。悪い気配は感じていないわ」
そうだというのである。
「だからね。私達は動かなくていいわ」
「そうなのかな」
「安心していいのかしら」
「本当に」
「そうね。私もそう思うわ」
今日は皆と一緒に稽古をしている劉備はミナの話に頷いた。
「ここは孔明ちゃんと鳳統ちゃんに任せよう」
「それでいいのだ?」
「ここは」
張飛も関羽も柳眉の今の言葉には複雑な顔になった。
「何かそれだったら」
「私達はここに残るが」
「そうね、ここはね」
劉備は笑顔になった。そうしてであった。
こう皆に提案した。
「二人が帰ったらその時はね」
「うむ」
「何をするのだ?」
「皆でお風呂に入ろう」
これが劉備の提案だった。
「それでどうかしら」
「お風呂か」
「それを皆でなのだ」
「ええ、そうよ」
そうしてだった。また話すのであった。
「皆でね」
「ううむ、どういうことかわからないが」
「とりあえずそうするのだ」
皆いぶかしむながらそのうえで劉備の言葉に頷くことにした。そうしてだった。
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