第二章
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「あそこに行って」
「好きなだけ書き込んでいろっていうんだ」
「そうよ、私に話すよりもね」
この食堂の天丼は安い、しかも量も多い。一杯食べただけでお腹一杯になる位だ。しかも美味しいという言うことなしの品だけれど。
彼のそうした話を聞くと気分の問題でまずくなる、それで彼に言った。
「そうした場所で書くのよ」
「ううん、そうなんだ」
「いい?こっちはあんたのしつこさは承知しているの」
欠点として、本当にしつこい。
「それでも他にいいところが一杯あるから」
「付き合ってるんだ」
「そうよ」
その通りだとだ、彼に言った。
「それだからこそね」
「もう言うなっていうんだ」
「そのしつこさもね」
「忘れて」
「一回やり返したら充分でしょ」
心からこう思う。
「そんな何度も何度もやり返すとか」
「腹が立った相手には」
「それで結構な相手と修復不可能なまでに仲が悪くなってるでしょ」
「学生時代からね」
「それいいことないから」
それも何一つとしてだ。
「だからね」
「一回やったら忘れて」
「そうよ、何処かの銀行員みたいに百倍返しじゃなくて」
「やられた分だけだね」
「その場でやり返して終わりでいいじゃない」
「ううん、そんなものなんだ」
「あんたはしつこ過ぎるの」
粘着にも程がある、本当に。
「だから一回で止めて」
「君にも言わない」
「そうしてね」
「切れっていうんだ」
「さもないとこっちが切るわよ」
脅しとして言った、実はそこまで考えていないけれど。
「いいわね」
「いや、それはね」
「嫌でしょ」
「それはね」
「じゃあいいわね」
「しつこいのを治す」
「そうした悪い考えは切るの」
粘着質なそれをだ。
「しつこい男は嫌われるっていうでしょ」
「実際敵も作ってきてるし」
「その彼ともでしょ」
「もう犬猿の仲だよ」
「当然の結果ね」
一回で済ませる話を何度もやってくるのだ、それだけしつこいと嫌われるのも当然だ。彼の悪いところだ。
「それは」
「ううん、昔からしつこいから」
「そのしつこいのを切るの」
「そしてそうしないと」
「こっちから切るから」
「わかったよ」
海老フライを食べる手を止めてだ、私に答えてくれた。
「それじゃあ努力するよ」
「そうしてね」
「うん」
不承不承な態度だけれどだ、彼も頷いてくれた。そのうえで実際にそのしつこいところをなおす努力をはじめてくれた。
仕返しは我慢して回数をぐっと減らして私にも色々言うことはなくなった、何でも他の人に言うこともだ。
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