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魚沼百首
後書き

[8]前話

 全くの駄作もあれば、そこそこ良いものもある…十把一絡げの歌集と言っても良いかもしれません。

 この歌集の創作時、仕事も忙しく、慌ただしく日々を過ごしておりました。
 一度故郷を離れ、再び戻って右往左往し…なんとか平穏な生活を取り戻してからの作品…。
 実を言えば…故郷を出た原因の一つに、失恋の痛手がありました。
 私は受け入れてもらえない…そんな哀しみから逃げたくて故郷を出た訳です。
 それが癒えて帰ったら郷里には、また新たな試練がありましたが、それを乗り越え…こうして生きている訳ですが、この歌集を創作時には…もう人を愛することはないと思っていたのですけれどね…。

 まるで…もう一つの歌集「春雪花」の練習をしていたようにも思えてしまうのは…ただの感傷ですかね…。

 そうだとしても、こうして稚拙でも詠み続けていると、それらは恰も日記のようで…あぁ、この時はこうだったとか、この歌はこんな時に詠んだものだとか…ふっと思い出が過り、詠んでいて良かったと思えます。

 もしかしたら…これはもう故郷へ帰ることはない私の、故郷の思い出を写し出す小さなよすがなのかも知れません。

 私の歌は世に出るような秀歌ではありませんが、私にとっては宝と言えましょう。
 もし…この歌集を詠んで何かしら感じて頂けたなら、皆様も詠んでみてはいかがでしょうか?

 時折で良いのです…ほんの小さな思い出に…。




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