397部分:第三十二話 孔明、妹を得るのことその六
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第三十二話 孔明、妹を得るのことその六
「翠、共に床に入ってだな」
「おい、何の稽古だよ」
「だから夜のだ。私はおなごでもいいのだ」
「おい、ちょっと待て!」
馬超は今の趙雲の言葉に顔を真っ赤にさせて返した。
「あたしはまだそういうことはだな!」
「安心しろ、私もだ」
「おい、それは本当か?」
「実はな。そうなのだ」
見れば趙雲も顔を少し赤らめさせている。
「しかしだ。御主の身体は何時見てもかなりいい」
「あのな、その稽古はやったらマジでやばいだろ」
「そうか」
「そうだよ。やるなら槍にしないか?」
「そうだな。お互い槍だしな」
趙雲にしても馬超にしてもその手に持っている武器は槍である。形こそそれぞれ違うがそれでもだ。槍なのは事実である。
「そうするか」
「身体を動かせば腹も減るしな」
「うむ、そうだな」
「それなら私もだな」
「私もね」
関羽と黄忠も稽古に入ることにした。
「そういえば紫苑は薙刀も使ったな」
「ええ、そうよ」
その通りだとにこりと笑って返す黄忠だった。
「弓程得意ではないけれどね」
「弓か。私も弓は使うが」
関羽にしてもだ。武芸者のたしなみとして弓を使うのだ。
「だがな。それでもな」
「愛紗は気も放てるからね」
「そうだ。飛び道具はそれで間に合う」
これができるのは関羽だけではない。ここにいる面々では劉備以外は全員できる。誰もがそれだけの域に達しているということなのだ。
「だからな。どうしても弓はな」
「鈴々も使えることは使えるのだ」
だが張飛の顔は曇っている。
「しかしなのだ」
「やはり弓は紫苑さんが一番よね」
馬岱がここでこう言う。
「もう何といってもね」
「ふふふ、有り難う」
「それじゃあ皆で稽古をするのだ」
張飛があらためて提案する。
「それでお腹を空かせるのだ」
「そうね。それじゃあ」
「私達も」
神楽もミナも頷いてだった。皆で行こうとする。しかしだ。
一人だけ取り残される面子がいた。彼女こそはだ。
「あの、私は?」
「あっ、劉備殿」
「忘れていたのだ」
「私武芸はあまり得意じゃないから」
困った顔になって言う。
「その、どうしようかしら」
「お料理を手伝うのは。駄目よね」
馬岱は言ったその傍から気付いた。
「それって」
「そうなの。それはちょっと」
やはり難しい顔での言葉だった。
「朱里ちゃんがやってくれるって言うし。どうしようかしら」
「それならだけれど」
馬岱は少し考えてからまた劉備に述べた。
「劉備さんって蓆とか靴作るの得意よね」
「ええ、それで生きてたし」
「それならそういうの作って時間を潰したらどうかな」
こう提案したのである。
「それならどうかし
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