55まだ夕方なのに血の匂いがする
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で両親とも炭にされた。
弟に相談された内容を里の長に通報して、殺す前にグレードアップさせた保険金は取り上げて、子供には罪は無いと報告して、虐待してから金だけ奪って放り出し、幼過ぎる姉妹に地獄を見せたらしい。
「お金も貰ってたら「これで妹と一緒に暮らせますっ」って号泣してましたね。見ます？」
土下座スタイルに入り、人間では無くなる前の感情を再現して、天使の人形に這い蹲って感謝し、金を返して？貰って、妹と一緒に暮らし、幸せになれる？状況を思って泣く芝居をした座古。
「ありがとうございますううっ、これで両親の仇も取れましたあっ、お金まで貰えてこれで妹と一緒に暮らせます〜〜っ！」
（いいよ、自分の奥さんで恋人なんだから、美味しいご飯でも？ああ、魔物食は無理か、祐一の体に合体したときにサービスしてよ）
「はい、クーデターでも隣の国と戦争でも、核戦争で人類相互確証破壊でも、何でも命令して下さい」
ある意味一番怖い化物になってしまったザコ。現在の佐祐理にも美汐にも、そこまでの実力行使は出来ない。
「あの、先代当主の自決って、もしかしないでも旦那様が何か手を回しました？」
（いいや、僕は「何もしないように」言っただけだよ。夜に追い回されて怖い思いさせたかな？）
どちらにも聞こえるように言ったが、天使の人形は先代月宮当主に「何もしないように言った」だけである。
結果としては、秋子の命令に服さず、舞の魔物が「夜の使い魔」と化して数人の娘の命を喰らい、大量の犠牲者を出し始めた始末を、妖狐の一族の義務として執り行うために送り出した兵力に、即刻中止と撤収の命令を出さなかった「だけ」である。
（あいつがさっき自殺させられる前に、この紙見せたら頭の血管切れて自殺前に憤死しそうになったよ）
その紙には「ざまあみろ、座古苺」と書いてあった。
「ありがとうございました、もう私と妹の命は貴方の物です」
正座したまま手を着いて土下座して、泣き顔を見せないようにした少女の形を真似た化け物。
（座古ちゃんの手は汚させないよ）
昨日の栞関係の復讐と座古の復讐、これで天使の人形には、自分のために死ぬまで戦う兵士が二名。片方は無限増殖の兵士が出来た。
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