精神の奥底
67 手負いの星たち
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だとしても何らかもおこぼれ程度でも取引ができれば望ましい」
『取引ってこっちにはカードが?』
「ヨイリー婆さんからの一足早いクリスマスプレゼントがある」
『私はどうしてたらいい?』
「引き続き情報を集めてくれ」
『了解』
電話を切ると、シドウは図書館の外を回ってエース・パニッシャーを駐車した場所まで戻る。
「サテラポリスが来た時の為にメッセージを残しておいた方がいいか?」
『いえ、止めておいた方が。下手にこの場にいた証拠を残すとおかしな疑いを掛けられかねません』
「だよな」
『最悪、我々だけでValkyrieに挑まねばならなくなるかもしれません』
「サテラポリスの動向が知りたいところだ……」
シドウはヘルメットをかぶると、エンジンを始動して現場を去った。
確実にValkyrieを殲滅するには、サテラポリス、更にはWAXAの協力が必要不可欠になる。
しかしサテラポリスは現状、正常な機能を失っており、それに紐づくWAXAも同様の状態だ。
頼りにはならない。
「猫の手も借りたいもんだ」
だがサテラポリスが機能しないならば、もう1つだけ方法がある。
Valkyrieと同じように規模があって対立している組織、ディーラーの手を借りることだ。
しかしどう考えても、敵の敵は仲間といくはずがない。
ディーラーの裏切り者であるシドウならば、尚更だ。
何とかする方法を試行錯誤を繰り返しながら、シフトアップしてアクセルを開く。
今のシドウにサテラポリスを何とかするカードは残されていなかった。
「…どう?行った?」
『えぇ。行ってみたい』
その頃、庭の茂みの裏で息を殺していた者たちがシドウが出ていったことに安堵していた。
シドウの感じた視線は勘違いではなかったのである。
『それにしてもこの2人がやられるなんて……アイツら只者じゃないわね』
「スバルくん……ウォーロック……」
降り始めた雨から生い茂った木々が守ってくれる中、先程の戦闘でダメージを負った星河スバルとウォーロックが横たわっていた。
ナイトメア・テイピアとの戦闘の後、戻ってきたミソラとルナに介抱されている。
それは素人目でもかなり酷いダメージだった。
「早く病院に……」
「でもここで呼んだら、あの図書館のことも聞かれるわよ」
「じゃあ、どうしたら……」
「移動するにも、スバルくんはこの状態だし……流石に私たちの体格じゃ男の子を背負って移動できないでしょ」
『私とミソラが電波変換できれば……でもさっきの戦闘でミソラもダメージが残ってるし、変身はできないわ』
「……大丈夫だよ…」
「!?スバルくん」
「まだ起きちゃダメだよ!」
スバルはゆっくりと起き上がった。
意識は戻ったものの、やは
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