第十一話 空の港町その十
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「人間は戦えるからな」
「その通りだよな、まさに」
「ならいいな」
「ああ、御前もそうしろよ」
「当然だ、東の島でも栄養バランスも味のいいものを食う」
「和食の方が栄養バランスいいかもな」
「そう思う、そして今はな」
ラザニアはもう少しで食べ終わりそうだ、その中での言葉だ。
「ラザニアの次はだ」
「その肉だな」
「鳥肉だな」
「いい具合に焼けてるな」
腿肉をカラリとした感じで焼いている、オープンの様なものでじっくり焼いたのか脂がよく落ちていて香辛料のよい香りがする。
「これも美味そうだな」
「ローストチキンみたいな感じだな」
「ワインによく合いそうだな」
「そうだな」
英雄は赤ワインを飲みつつ久志に答えた。
「この感じはな」
「次はこれを食ってだな」
「最後はデザートか」
「それも食うか」
「ああ、このデザートもワインに合うな」
久志はタルトも見て言った。
「楽しみだぜ」
「全くだ、ワインはこれでボトルで二本目位か」
飲んでいるその量はというのだ。
「結構飲んでいるな」
「ああ、ただこっちじゃ毎日飲んでるからな」
それこそ水代わりにだ、この島では多くの者が朝からビールやワインを飲んでいる。それで喉を潤し栄養も補給しているのだ。
「もう俺達もな」
「かなり酒が強くなったな」
「そうだな、この島は欧州の文明に近いが」
「あっちは水が悪くてだろ」
「酒を飲んでいる」
こちらで水分補給を行っている部分が多いというのだ。
「そうした面がある」
「酒はかえって脱水症状になるだろ」
「水も飲むがだ」
「酒もかよ」
「そうなっているからな」
「だからここでもビールやワインを朝からごくごく飲んでいるんだな」
「そして俺達もそこにいるからだ」
それで酒を毎日大量に飲んでというのだ。
「酒に強くなったな」
「ああ、ワインをこれだけ飲んでもな」
それもストレートでだ、何かで割ることなく。
「ふらふらになることもなくなったな」
「酔ってもな」
「そこまでならずしかもすぐに覚める」
要するに酒が強くなったということだ。
「そうなったな」
「そうだな、それに安いな」
久志は酒の値段についても話した。
「ジュースよりちょっと、って位だな」
「よく飲まれるから多く造られる」
「それでか」
「多ければ安い」
どんなものでもだ、資本主義社会での節理の一つだ。
「そういうことだ」
「それで安いんだな」
「そうだ、しかしそれこの島の話でだ」
「東は違うか」
「水の状況による」
「水が悪いとその分酒を飲むからな」
「高くなる」
必然的にだ、そうなるというのだ。
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