391部分:第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその十一
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第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその十一
「誰だって故郷、それに実家は大切だからね」
「それじゃあいいんですか?」
「ええ、勿論よ」
いいというのだった。
「それじゃあ袁術さんのところに行く前にね」
「まずは水鏡先生のところに」
「そういえば水鏡先生の屋敷には」
黄忠がふとした感じで言った。
「新しい弟子が来たらしいけれど」
「新しい弟子?」
「誰なのだ、それは」
馬超と張飛がその黄忠に問い返す。
「朱里みたいにすげえ頭のいい奴か?」
「だとしたら凄いのだ」
「多分そうね。水鏡先生のところに来る娘は皆出来物だから」
「そうなんですか」
孔明はそれを聞いて少し考える顔になった。
「それじゃあそのことも楽しみですね」
「そうなのだ。誰がいても楽しくなるのだ」
「鈴益々ちゃんって人見知りしないからね」
馬岱が張飛に対して言った。
「けれどそういうのっていいと思うよ」
「そうなのだ?」
「少なくとも御主らしくはないな」
趙雲が笑ってその張飛に話す。
「人見知りする御主なぞ考えられるものではない」
「ふふふ、そうね」
「その通りね」
神楽とミナも笑って今の趙雲の言葉に応える。
「そんな鈴々ちゃんはね」
「考えられないわ」
「全くだ。しかしそれがいいな」
関羽も温かい笑顔になっている。
「御前はな」
「何かよくわからないが褒められているのだ」
少なくとも悪口を言われているのではないことはわかった。
「それじゃあとにかくまずはなのだ」
「うん、行こう」
劉備が応える。
「水鏡先生のところにね」
「うむ、そうだな」
「何か楽しみになってきたのだ」
その劉備の言葉に関羽と張飛が応えてであった。
乙女達は旅を続ける。その中でだ。
ふとだ。趙雲が言った。
「我々も多くの場所を旅をしてきたが」
「んっ、どうした?」
「益州はまだだな」
気付いたのはこのことであった。こう馬超にも返した。
「そうだったな」
「ああ、そういえばそうだよな」
馬超も言われて気付く。
「何か山が凄く多いんだってな」
「あそこは山岳地帯よ」
黄忠もこう話す。
「私の知り合いがいるけれどね」
「そうなんですか」
「そうなの。厳顔っていうのよ」
こう孔明に話すのだった。
そんな話をしてそのうえで向かっていたのであった。
第三十一話 完
2010・9・15
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