0081話『江風と山風の喧嘩』
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なにがあったか言ってみなさい。なに、怒ったりしないから」
「ホントか……?」
「うん。内容によるけどね」
うん。よほどのことがない限りは怒らないよ?
ただ山風をいじめたとかだったら叱るつもりだけどね。
「うー……榛名さんの顔でそんなニッコリ笑顔を浮かべられるとなにか後が怖いんだよなぁ……」
「江風。正直に話したらどう……? どうせそのうち白状しなくちゃいけないんだから」
「そうなンだけどさぁ……」
それで頭をポリポリと掻く江風。
だけど少ししてとうとう白状する気になったのか溜息を吐いた後に、
「ちょっと山風とな、時雨姉についての論争が巻き起こっちまって……」
ここで時雨と来たか。
江風と山風は、いやだいたいの白露型は時雨の事を慕っている。
だてに佐世保の時雨とは言われていないから時雨に関しては信者が多いイメージなんだよな。
「それでどんな論争が巻き起こったんだ……?」
先が読めるだけに少し疲れた感じの私の声の覇気のなさに江風は不満そうに表情をムスッとさせるけどそれを我慢したのか語りだす。
「そのな……江風と山風のどっちがどれだけ時雨姉の事が好きかで勝負していたんだ」
「ああ。……やっぱりか」
「提督も予想されていたんですね。はぁー……」
それで海風とともに溜息を吐く私がそこにはいた。
「なンだよー! 別にいいじゃンか! 実際白露型のみんなだって時雨姉の事が好きだろう!?」
「まぁ、そこは否定しませんけどね」
海風も少し頬を赤くさせながらそこには肯定していた。
やっぱり姉妹同士だと似ている感情があるのだろうな。
「それでなンだけど……話がヒートアップしちまっていつの間にか山風が涙目になっちまってて『もう! 江風なんて知らないんだから!』……って言って部屋に閉じこもっちまったんだよな」
あー、容易く想像ができる私の想像力が逞しいのか?
しかしそれだと私の手にも余る案件だと思うけどな。
まぁ、頼られたんだから役には立ちたいよな。
「わかった。まぁ結局は喧嘩だけど喧嘩両成敗で二人にはあとで反省してもらうとしてとにかく山風を部屋から出すことを考えないとな」
それで江風と海風と一緒に山風の部屋へと向かいながら、
「しっかしどうする提督……? あの山風は強情だかンな。なかなか出てこないと思うンだけど」
「そこはなんとかするさ」
「提督。頼りにしていますよ」
それで山風の部屋の前に到着する。
そしてノックをすること数秒して、
『…………誰?』
「提督だ。山風、少し話をしないか……?」
『やだ……今はそんな気分じゃない……』
うん。分かっていたけど今の山風の精神状態はまるで頭を隠す亀だな。
「そう言わずに。今ならもれな
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