暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0081話『江風と山風の喧嘩』
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話




「いっひひ! 提督、ちょっといいかい?」
「失礼します、提督。少しよろしいでしょうか……?」

朝の執務をしていた私のところに江風と海風が執務室に入ってきた。
この二人が一緒にいるのはよく見る光景だから別段不思議には思わないな。
なんせ同時期に実装された二人だからな。
仲がいいのは当然だろう。
そんな二人が私に何か用があるらしい。
この二人が関わってくる用と言えば大体姉妹関係に絞られてくる。
お調子者の江風にしっかりものの海風。
その二人をして用と言えばだいたい分かってきた。
それで私は言葉を出す。

「……どうした? 山風関係でなにかトラブルでもあるのか?」

それで江風と海風の二人は目を見開いた。
そして、

「……提督さ。なンか察しがよくね……?」
「はい。海風も驚きました……提督は読心術でもお持ちなのでしょうか……?」

二人して不思議がっている。
だってな。

「いや、大体わかるだろう。二人が一緒に来るときはいつも山風の事しか話さないじゃないか……?」
「……ン? そう、かな……?」
「そうだったでしょうか……?」
「そうだ。自覚はした方がいい」

そう。どちらか一人の時だったら別の話になるんだけどこの二人が揃うとどうしても山風の話に流れてしまう。
まぁ、その気持ちは分かる。
私も山風が実装されると聞いてそのビジュアルを見た時には生みの親であるイ○ソさんには感謝したものだ。
そのあふれ出る可愛さからくる言葉とは裏腹に実はかまってちゃんな山風は私の心を射抜いた。
そしてイベントが始まってさぁ掘りをするぞ!と息巻いていた一週目のボス撃破でなんと一発で来て度肝を抜かされたのは記憶に鮮明に焼き付いている。
それでイベントが終わったら速攻戦力レベルには練度を上げたものだ。
………っと、私の内事情はいいとして。
私は気持ちを切り替えて二人に今回は山風が何かをしたのかという感じにやんわりと聞いてみた。
すると、

「……いや、実際山風がなにかをしたって訳じゃないンだけどさ……なぁ海風の姉貴?」
「はい。提督のお力を貸していただきたいんです」
「それは一体……?」
「はい。山風がちょっと部屋に閉じこもってしまいまして……」

それを聞いて私は思わず天を仰ぐ。
人見知りの山風が部屋に閉じこもってしまったというのは例えで言うと神話でアマテラスが岩戸隠れしたようなものだ。
それほどに厄介な案件だな。

「しかし、またどうしてそんな事になってしまったんだ……?」
「いやー……それがさー」
「じー……」

どこか目が泳いでいる江風。
そしてどこか厳しめの視線を江風に送る海風。
まぁそれで理由はともかく江風が原因だというのはわかった。

「江風……?
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ