390部分:第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその十
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第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその十
「特に南蛮はかなり暑いそうですよ」
「そんなになの」
「南蛮って何か色々いるらしいよな」
馬超もここで問うのだった。
「動物もそうだし鳥も」
「あとそこにいる人間も変わっているというが」
趙雲はこんなことを言った。
「同じ顔で増えるというが」
「同じ顔で増えるのだ?」
張飛はそのことを聞いて首を捻った。
「何なのだ、それは」34
「ううん、南蛮も異民族だしね」
馬岱はこのことを言った。
「私達と風俗とか全然違うよ」
「そうよ。そのことは考えておくべきね」
黄忠も言う。
「漢とはまた違う場所だから」
「南蛮。そこにまさか」
ミナはふと思ったのだった。
「誰かいるかも」
「誰かなのね」
「そう。この世界に来た誰か」
その誰かがだというのだ。
「来ているのかも」
「その可能性はあるわね」
神楽もそのことは否定しなかった。
「やっぱりね」
「そうね。それは」
「それとなんですけれど」
ここで孔明が劉備にまた言った。
「袁術さんのところに行く前にですね」
「行く前に?」
「水鏡先生のところに行っていいですか?」
こう提案したのである。
「そこに。少し寄って」
「水鏡先生のところに?」
そう言われて少しきょとんとなる劉備であった。
「どうしてなの?それって」
「はい、久し振りに荊州に来ましたし」
「あっ、そうだったな」
ここで関羽も言う。
「朱里のいた場所はここだったな」
「はい、生まれは徐州ですが」
「それでも故郷と呼べるのは」
「この荊州です」
そうだというのである。
「そして水鏡先生の屋敷は私にとっては」
「家なので」
「実家も同じです」
劉備にもにこりと笑って話す。
「私の我儘ですけれど」
「いいよ、我儘でもいいじゃない」
劉備は優しい笑顔で孔明に応えた。
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