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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第171話 介入者
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ら知っていた。
 知って居ながら、何も具体的な行動に移る事もなく、そのまま見てみぬ振りをし続けた。
 そう考えても良い、と言う事なんやな?」

 聞きたかった部分にズバッと切り込む俺。
 そう、これが気になった部分。正義の味方面をした此奴の化けの皮を剥がすのに、これは十分な質問となる点だと思う。
 何故ならば、これは未必の故意と言えるかも知れない部分だから。オルレアン大公やティファニアの両親が殺される事を知って居ながら、そのままにして仕舞ったのだから。

「俺が犯罪者だと断罪する前に、自らの罪をタバサ……オルレアン大公遺児シャルロット姫の前で告白し、許しを請う方が先なのでは?」

 俺にはオマエのような生き方は出来ない。俺の本質は運命に抗う者。天に背く者だから。
 冷やかにそう告げる俺。当然、タバサの前に一歩踏み出した理由は、この事実の為。実際、手を下したのは目の前のふざけた髪型、アロハシャツにバーミューダパンツと言う真冬のヨーロッパには相応しくない出で立ちの道化者ではないのだが、結果としてオルレアン大公が殺される事を見てみぬ振りをしたのは事実なのだから。

 少なくとも、俺がこの世界にやって来る遙か前に起きて仕舞って居た事件の原因である、等と言うこじつけ臭い断罪よりも、その事件が起きる事を知っていながら何もアクションを起こさなかった此奴の罪の方が大きい。
 ……はず。

 しかし――

「馬鹿か貴様は?
 そんな事をすれば俺自身が歴史を改竄する事となるだろうが」

 歴史の改竄。そう言い切る匿名希望のチンチクリン。……と言うか、それは、この目の前の道化者が神の視点で物を考えている、と言う事だと思うのだが。
 確かに歴史上、どうしても起きなければならない事件と言う物があるのかも知れない。神の視点で物を考えるのならば。
 しかし……。
 しかし、その事に因って自らの父親を。更に母親を失い、今も双子の妹が狂人たちの元に囚われの身となっているタバサの目の前で言葉に出来るその神経の太さに脱帽する俺。

 確かに世界を神の視点から見つめて居れば、回り道を選ぶよりも最短ルートを選んで歴史を早く進めた方が結果として失う物が少ない可能性があるのは理解出来る。但し、その結果、現在進行形で不幸な境遇に置かれているタバサに対して何の配慮もしようとしない態度は流石に……。

 唖然として、咄嗟に返す言葉も思い付かない――大の虫を生かして小の虫を殺すと言う思考を簡単に受け入れて仕舞う事の出来ない俺に対して、更に言葉を続けるチンチクリン。

「一度歴史を改竄すれば、其処から先の歴史が俺の知っている歴史の流れから外れる事となり、結果、俺のウハウハ・ハーレム計画にひびが入る事となる」

 もっとも、その遠大な計画もオマエと言う
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