第7章 聖戦
第171話 介入者
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したのもすべて俺の所為となって仕舞う。
ただ……。
ただ、此奴の話が事実だったとするのなら、少しばかり気になる点がある。
それは……。
「トコロでな、匿名希望のチンチクリンさんよ。アンタはさっき聞いた話に因ると元日本人で、その頃の記憶があるのは間違いないんやな?
その結果、このハルケギニア世界の歴史についてもあるていど知っていると」
成るほど、此奴は星読みの類か。非常に単純な思考でそう考え掛けて、その瞬間に違う可能性がある事に気付く俺。確かに此奴は前世で日本にて暮らして居た頃の記憶があるとは言ったが、その事と、ハルケギニアの歴史。過去の事は兎も角、未来について知っている事がヤツの持っている前世の記憶とイコールで繋げられると限った話でない事に気付いたから。
此奴がこの世界の理を越えて、前世の記憶を持った状態で転生を果たした理由が這い寄る混沌ならば、這い寄る混沌の方の理由……例えば、この自称匿名希望のチンチクリンに這い寄る混沌に取って都合の良い未来の出来事を教える可能性はある。そう考えたから。
その分だけ。此奴に、自分にとって都合の良い未来の出来事を教える事が、今よりも余計にハルケギニア世界が混乱する可能性があるのならば、這い寄る混沌は間違いなく、その未来の出来事を教える。そう考えたから。
「当たり前。だから貴様が混乱の元凶だと気付いたんだ。この介入者が」
何故か頭から俺が悪の権化だと決めつけて掛かって来る自称匿名希望のチンチクリン。もっとも、その匿名希望と名乗っている部分についても、実はハルケギニアの似非魔法使いどもに比べるとマシと言う部分かも知れない。
何故ならば、少なくとも術者相手に自らの本名を名乗る馬鹿はいない。俺の知っている世界で、真面な師匠に付いて術を学んだ人間ならば。
まぁ、この真名や忌み名。それに言霊と言う部分に関しては、その系統魔法を伝えたとされるブリミルによって意図的に隠された可能性もあるので、ハルケギニアの魔法使いたちに非がある可能性は少ないのだが。
自分だけ。もしくは一部の特権階級にだけそう言う魔法の知識を伝授して、その結果、人々を支配し易い環境を作り出した可能性もゼロではないので。
相手の名前を知り、その名前を操る事で、無意識の内に相手の行動を制御する方法はある。そう言う魔法を一部の特権階級だけに伝える、もしくは自分だけ、始祖ブリミルだけが行使した可能性はゼロではない。
ワザとらしく首肯いて見せる俺。そして、何時の間にか俺と匿名希望のチンチクリンとの間に立っていたタバサの更に前へと身体をすべり込ませ、
「……と言う事は、オマエはシャルロットの父親が何モノかに殺される事も、更に言うとティファニアの身に降りかかる不幸についても最初から。事件が起きる前か
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