暁 〜小説投稿サイト〜
蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第171話 介入者
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。そう言う気分で居た俺に対して、行き成り犯罪者扱いの台詞を投げつけて来るその男。

 身長はハルケギニアの男性としてはかなり低い方。俺よりも頭一つ低いぐらいで、湖の乙女よりも少し高いように見えるので百五十台の後半から、百六十の前半ぐらい。顔は妙に締まりのない下膨れ。……と言うか、トリステインの魔法学院に居たマリコルヌと似たタイプと言えば一発で分かるか。見た目も正にそのまんま。つっころばせば、そのまま勢い良く転がって行きそうな体型をして居る。
 髪の毛はくすんだ金髪。その金髪を何故か頭の上で纏めた奇妙な丁髷(ちょんまげ)姿、まるで頭の上にヤシの木を植えているかのような髪型にしている。眼は頭髪の色から推測するに淡い色をした瞳だと思われるのだが、顔の真ん中に人を小馬鹿にしたような赤いフレームの黒いサングラスをして居るので……。
 ……と言うか、この暗闇の中で敢えてサングラスを掛けなければならない理由が謎過ぎ。
 肌は……多分、元々は白。だと思うのだが、日焼けサロンに通うのが趣味なのかと問いたくなるような良く日に焼けた赤銅色。その代わりに磨き抜かれた歯は見事に……むしろ不自然なまでに光る白。単純に歯磨きを繰り返しただけでこの白を手に入れるのはかなり難しいと思うので、普通に考えると……ハルケギニア世界に存在していると思えないのだが、何らかの歯科医的なホワイトニングが行われていると思う。
 更に言うと服装に関しては何故かヤケに涼しげな南洋風。其処に描かれた花は……十六世紀から十七世紀初めのヨーロッパに存在していなかったと思われるハイビスカス。大航海時代が未だ訪れていないハルケギニアには存在していない……と思う。少なくとも、俺が召喚されてから一度も目にしてはいない。
 何にしても、現在の周囲の気温がおそらく氷点下である事を考えると、この服装は常軌を逸して居ると言わざるを得ない。

 少し瞳に能力(ちから)を籠め、その男を見つめる俺。しかし、彼に従う精霊の姿は確認出来ず。更に言うとその男自身が何らかの身体を冷気から護るタイプの術を行使していない事が理解出来た。
 そう、おそらくこの男が現在行使している魔法はハルケギニアのライトの魔法。それに、少し微妙な気配なのだが正体不明の小さな術。多分、エンハンスト系に分類される術が行使されている気配がある。
 ただ……。
 ただ、よく分からないのが、奴が最初に発した戦闘力五と言う台詞の意味なのだが……。
 これはもしかすると……。

「失礼ですが貴卿は?」

 何と言うか、出来る事ならばこう言う輩は無視をして先を急ぎたいトコロなのだが、狭い回廊の中心に仁王立ちの相手。それも、どうやら敵らしい相手の横をすり抜けるのも難しい。まして、俺の立場。世界の陰陽の均衡を保つべき仙人としての俺の立場から言うと、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ