389部分:第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその九
[8]前話 [2]次話
第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその九
それだけではなかった。次々にであった。
「どうぞ」
「差し入れです」
「ファンの人達からです」
「来ています」
こんな感じでだ。饅頭の箱だけでもう部屋が一杯になってしまった。三姉妹はその饅頭を食べながらだ。そのうえで話をするのであった。
「これって一体」
「そうよね」
張角が張宝の言葉に応えて言う。
「どうしてこんなに一杯来たのかしらね」
「まさか」
ここでだった。張宝はふと気付いたのだった。
「天和姉さんか地和姉さんが間違えて」
「間違えて?」
「どうしたの?」
「宝貝の力をそのままにして何か言ったとか」
「あっ 、そういえばだけれど」
ここで気付いたのは張梁だった。
「この前歌の合間にこのお饅頭が食べたいって言った時に」
「やっぱりその時なのね」
「多分ね」
こう話すのだった。そうしてであった。
これでわかった。今回の原因がだ。
「この宝貝って」
「いえ、ひょっとしたら」
「あの書?」
「あの太平要術の書?」
「あの力だったの」
このことに気付いたのだった。
「声を大きくする宝貝だけじゃ大きな声しか出せないし」
「それじゃあまさか」
張梁はこのことにも気付いた。
「あの喧嘩を収めた時も」
「その時も?」
「やっぱり」
「きっとそうよ」
こう姉妹に話す。
「それでなのよ」
「ううん、本当にあの書って」
「凄い力を持っているのね」
このことに気付いたのだった。しかしである。
元々欲がないと言えばなく邪気のない三姉妹はだ。こう考えるだけだった。
「贈り物貰い放題よね」
「そうよね。お客さんの喧嘩も収められて」
「助かるわ」
これで終わらせたのだった。書の力への認識はこの程度だった。
そしてだ。三姉妹は別の話もするのだった。
「このお饅頭食べきれないよね」
「どうしよう」
「そうよね」
あまりにも多い饅頭の処遇のことだった。
「ええと、親衛隊の人達にも分けてあげて」
「ホテルの人達にも?」
「それでもあったら街の困っている人達にも分けてあげて」
そんな話をしてであった。饅頭の処遇について話すのであった。
そしてこの頃劉備一行はだ。
「段々あったかくなってきたよね」
「南に来ていますからね」
孔明が劉備に話す。
「北は寒くて南が暖かいものですから」
「それは知っていたけれど」
「劉備さんはこのことをはじめて実感されたんですね」
「うん。幽州にいただけじゃわからないのね」
「はい、世間は広いです」
笑顔で劉備に話す。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ