387部分:第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその七
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第三十一話 張三姉妹、書に気付くのことその七
「その中で貴方の意中の相手にも会えるから」
「その時にね」
「本当だな」
「私達嘘はつかないわよ」
「そういうことはしないから」
また言う二人だった。
「誰に対してもね」
「言わないわよ」
「ふん、世界がどうなろうと知ったことではないがな」
幻十郎も言う。
「だが。それでもだ」
「貴方は覇王丸さんよね」
「あの人よね」
「俺がここにいるということはだ」
彼が言うのはここからだった。
「あいつもいる筈だ」
「ええ、そうよ」
「その通りよ」
それで間違いないというのだった。
「だから待っていてね」
「いいわね」
「では暫くは貴様等と旅を続けよう」
幻十郎は納得する言葉で返した。
「こうした旅もいいものだ」
「そうだな」
獅子王もであった。
「この国は中々面白い国だな」
「そうでしょ。幾つかの世界があるけれどね」
「この国がある世界も」
二人はふと妙なことを話しだした。
「私達はこの世界にも来たのよ」
「彼等を防ぐ為に」
「彼等?」
命は今の二人の言葉にふと目を止めた。
「誰ですか、それは」
「そのうちわかるわ」
「そうそう。ただ」
「貴女が思っている人もいるわよ」
「ちゃんとね」
「お父様にお母様も」
命はそれを聞いてだった。考え、そして懐かしむ顔になった。
「この世界にも」
「そうよ。今この世界で起こっていることはね」
「かなり色々だから」
「けれど難しいことは考える必要はないわよ」
「そう、戦えばいいから」
二人も難しいことは言っていなかった。それはだ。
「それじゃあね」
「華陀のダーリンが来たらまた出発よ」
「ふん、いいだろう」
刀馬は二人の言葉を一応だが受けた。
「それではだ」
「ええ、それじゃあね」
「行きましょう、その時に」
こんな話をしていた彼等だった。
三姉妹は親衛隊の三人が来てから舞台を安全に続けていた。しかしだった。
この日はだ。三人は外の騒動を収めに行っていてだ。たまたま舞台の中にいない日もいた。しかしここで、であった。
「おい、押すなよ」
「そっちが押したんだろ」
「何っ?そっちだろ」
「いや、そっちだろ」
押したの押さないのでだ。騒動になろうとしていた。
それに舞台の三姉妹も気付いてだ。最初は張角が言った。
「ちょっと、皆駄目だよお」
「そうよ」
張宝も言う。
「喧嘩したら駄目だよ」
「仲良くね」
しかしであった。騒ぎは大きくなるばかりだった。
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