暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十二話 それぞれのかたち
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「ぁ……っ」

 喉が詰まった感覚に、俺は慌てるように目を覚ますが、全身が鉛をつけたような重さを持って頭を起き上がらせることすらできず、再び倒れる。

 それに伴い、口元を覆うように付けられた透明なマスクから排出された空気量が変化した。

 過呼吸気味なのを少しずつ落ち着かせ、心に余裕が出来たところで辺りを見回す。

 白い。

 その一言しか浮かばないほど、俺が寝ている空間は白ばかりで染まっていた。

 壁、電気、ロッカー、テーブル、椅子。

 俺が寝ているベッドですら全てが真っ白で、他の色がないのか、顔と目を動かして探す。

 すると、自分が着ている服が薄い水色をしているのと、俺の腕辺りから伸びている管が病院で見たことのある電子機器とつながっていることに気づいた。

 様々な情報から、ここが病室だと気づく。

 で、俺はなんで病室で寝てるかだけど……。

 ああ、そうだ。

 俺はケイジさんと戦ってボロ負けしたんだ。

 そのあとのことが記憶にないってことは、俺はあれから寝たっきりだったわけだ

《おはようございます、マスター》

 聴き慣れた女性の機械的な声のした方を向くと、置き型の充電器ような機器の置かれた愛機を見つけた。

「アマ、ネ……?」

 声を出してみると、乾ききった喉のせいで掠れた声になってしまい、再び咽るように咳き込む。

 それによって乾燥しきった喉から裂けるような痛みが襲ってきて、それにまた悶えてしまう。

《一週間以上眠っていれば、そうなるのは仕方ないですね。 すでに管制室へ連絡を送ってますのですぐに飲み物が届くでしょう》

「はぁっ、はぁっ……かはっ、げほっ、つぅ……」

 乾いた咳、喉の痛みを避けるような咳、それでも襲いかかる喉の痛み。

 それに加えて身体は力が入らないし、重みのような感覚がある。

 風邪やインフルエンザに似た症状に苦しんでいると、病室の自動ドアが開く音が聞こえる。

「失礼します……って、黒鐘、大丈夫?」

「けほっ、けほっ……り、リンディ、さん……?」

 水が入ったペットボトルを持って病室を訪れたのは、俺の義母であるリンディさんだった。

 てっきりクロノや手の空いた職員、または医者なり看護師だと思っていただけに、掠れる声ながら声を出して確かめてしまった。

 リンディさんは少し慌てた感じと心配した感じが混ざったような表情で俺のもとまで小走りで迫り、ペットボトルのキャップを開けた。

 そして慣れた手つきでベッド下の電子機器と長ったリモコンを操作し、ベッドの上半身を起き上がらせた。

「身体が動かせないことも聞いてます。 はいこれ、ゆっくり飲んで」

 そう言って俺の口元まで持っ
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