第48話<帰還報告>
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そんな中、意外に金剛と比叡が良く動き回って補佐をしてくれた。やはり戦艦はタフなのだろうか?
それから私は、疲れていた祥高さんには休んでもらった。その代わりに私が2階の指令室へ入った。
艦隊司令本部からは早速、状況確認の催促が着ている。私はちょっと考えた。
『金剛ト扶桑ノ加勢ニヨリ敵空母機動部隊ヲ撃退セリ』
……と書いて本部へ返信した。
通信用の文面を作りながら、なぜか深海棲艦(大井・仮)を連想した。
「私が作った文面より、あいつのほうが日本語がうまいな」
自分で自分に冗談を言ってしまった。
「しかし……」
私は考えた。あの連中は沈没して変化する割には日本語がたどたどしくて使えなかったり、ママならないことが多い。
「結局、あれは元艦娘ではないのだろうか?」
それとも現役の頃の記憶は沈没のショックでどっか飛んでしまうのか?
「何しろ情報が少ないからな……良く分からない」
しかし今回、敵は地上部隊まで投入してきた。今日来たのが重戦車かどうかは不明だが、その気になれば敵は地上も制圧する能力があるわけだ。これは厄介だ。
でも夕張さんの軽機関銃とか日向が使った簡易飛行甲板。今回は試作だろうけど、あの新兵器が無かったら恐らくもっと苦戦していた。
「さすが夕張さんだな……助かる」
そう言いながら、ふと気付いた。
「この新兵器のことも中央に報告しないといけないのだろうか?」
そういえば戦車の残骸のこともある。結局、陸軍にくれてやったが……そもそも、調査するにも予算が足りない。そっちの費用とか申請したら廻してくれるのだろうか?
「そうなると稟議をあげなきゃ……くそ面倒くさいな!」
私は頭をかいた。
ここは実家と違って空調なんか入っていないから夏の午後は異常に暑い。早くも、暑さによる混乱で頭が働かなくなってきた。
今日はどういうわけか、あまり美保湾からの海風も吹かない。
「もう、やめた!」
速報は流した。後は、あの二人に任せよう。祥高さんと大淀さんが復帰するまで報告は中断だ!
私は紙とペンをデスクに投げて、そのまま通信機の前の椅子に手足を伸ばして思いっきりふんぞり返った。どうせ誰も見ていない。
「しかし通信や指令室担当も、また育成しないとだめだなあ」
そんなことを思いながら、ふと見るとデスクの上に、さっきのサンドイッチが、まだちょっと残っていた。
半分以上は誰かが食べたらしい。
「そういえば、お腹すいたな」
私はデスクの上のサイドイッチをいくつか、つまんだ。
「……ウマイ」
疲れているからだろう、とても美味しく感じた。
お台場公園で日向と
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