380部分:第三十話 典韋、曹操に試されるのことその十二
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第三十話 典韋、曹操に試されるのことその十二
「どうしてもね」
「それでもです」
「あの」
「わかってるわよ。貴女達の相手は忘れないわよ」
微笑みを困った顔の二人にも向ける。
「じゃあ今夜はね」
「は、はいっ」
「御願いしますっ」
顔を赤らめさせて応える二人だった。そうしてだ。劉備達は彼女達に別れを告げた。
一行はまた旅を続ける。そこで、である。
「さて、いよいよだな」
「そうだな。その袁術殿の下にだ」
趙雲が関羽に対して述べる。
「行くことになるな」
「何かここまでの道中でも色々あったな」
「そうね」
黄忠が二人の言葉に微笑む。
「袁紹さんのところに曹操さんのところに」
「あと白々ちゃんも」
「白蓮だ!」
劉備が言うと何処からか声がした。
「桃香、本当にいい加減覚えてくれ!」
「あっ、御免なさい」
「いや、問題はそこじゃなくて」
「そうですよね」
馬超と孔明が目を点にして言う。
「あの人今幽州に戻ってるんだろ?」
「どうして聞こえたんでしょうか」
二人が言うのはこのことだった。
「よくわからないけれど聞こえたみたいなのだ」
「凄い耳だよね」
張飛と馬岱は特に驚いている様子はない。
「とにかくなのだ」
「その袁術さんのところよね」
「大丈夫かしら」
「そうね」
神楽とミナは不安な顔になっていた。
「あの袁紹さんの従妹だというけれど」
「いい予感がしないわ」
「実際に結構問題のある人みたいですね」
孔明がその二人に話す。
「ですからちょっと注意しておいた方がいいかも知れません」
「わかったわ。それじゃあ」
「少し覚悟を決めてね」
ミナはここで自分の足元のチャンプルを一瞥した。
「いざその地へ」
「今から」
「じゃあ行きましょう」
劉備はここでも天真爛漫である。
「いざ、袁術さんのところに」
「うむ、それではな」
「行くのだ!」
関羽と張飛が彼女の言葉に応える。そのうえで乙女達は目的地に向かうのであった。
第三十話 完
2010・9・11
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