0079話『隼鷹と飛鷹とお酒』
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?」
「はいはーい。わかりました。準備しますね」
そう言って鳳翔さんは厨房の奥へと入っていって少しして戻ってきた。
そこには未開封の瓶が持たれていた。
「おっ! 鳳翔さん、話が分かるね。高知名産の純米大吟醸ときたか」
「はい。隼鷹さんが好きそうなものを出してきました。提督は甘いモノなら飲めるそうですからこれなら平気かなと思いまして」
「いいですね。鳳翔さん、ナイスです」
そして鳳翔さんは三人分のとっくりを出してコポコポと注いでいった。
その透き通るようなお酒の色は確かに純米だな。
「はい。どうぞ。それではなにか作ってまいりますね。その間にお話をしていてくださって結構です」
「おう! あんがとう鳳翔さん!」
「はい。それでは……」
そして鳳翔さんはなにかを作りに厨房に入っていった。
それで場も整ったのか隼鷹がお酒が入れられたとっくりを持ちながら、
「さぁさ。それじゃまずは一杯。いってみましょうか」
「そうね」
「わかった」
三人して「乾杯」と言ってそれぞれお酒を口に入れる。
そして一気にそのお酒の味が喉に浸透してきた。
どこかワインのような甘さもあってか私も苦手意識はあんまりない。
むしろ美味しいと感じられるほどであった。
「どうだい…? 子供舌の提督でもおいしく感じられるだろう?」
どこか勝ち誇っているような表情の隼鷹の顔に少しムッとさせられるが、まぁ本当なのだから仕方がない。
なので、
「ああ。確かにうまいよ」
「でしょう? よかったわ。提督もこれくらいは飲めるくらいにはならないとね」
飛鷹にそう褒められた。
それで素直に喜んでいいのかに関しては横に置いておくとして、
「……さて、お酒も回った事だしそろそろ話といこうじゃないかい?」
「その話って何なんだ……? 内容によっては答えられないぞ?」
「わーかってるって。なに……別に機密とかそんな情報を聞き出そうなって野暮な事はしないさ。聞きたいことはただ一つだよ」
そこでどこか真剣な表情になった隼鷹に私も自然と体が引き締まった気分になった。
「提督……? そんなに肩筋張らなくて大丈夫よ。隼鷹もただ興味本位で聞きたいだけなんだから」
「飛鷹? 今はあんま茶々入れるなって……?」
「わかったわよぅ……」
それで飛鷹は飛鷹でお酒を嗜んでいた。
なるほど。やっぱり今回飛鷹はお目付け役ってところか。
「聞きたいことは一つだよ。提督よぉ……最近榛名としっかりと話はしているかい……?」
「え……?」
《えっ?》
隼鷹にそんな話をされたのでとっさに榛名も表に出てきて私と一緒に首を傾げる。
「あちゃー……。そっか。榛名もだいたいは一緒になって聞いていることを忘れていたよ」
《
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