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Muv-Luv Alternative 帝国近衛師団
第八話
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 それでも正仁は兵装担架から長刀を装備し、ロケット噴射により真衣から距離を取った。

《なぁ〜正仁はん。なんでウチと斬り合いしてくれへんの?ウチはあんさんと斬り合いがしたくてしたくてしあゃないんよ》
「レグルスとやれ……」
《レグルスはんとやるのも楽しいんやけどな〜……》
「じゃあ斑鳩」
《斑鳩はんもおもろいんやけどな〜……》

 相変わらずのんびりとした口調で会話をする真衣だが、その会話の内容はただの戦闘狂である。だから正仁は真衣と近接戦闘をしないし、したくない。
 だが今の状況では、近接戦闘で決着をつける他ない。

「……わかった。やるよ。やってやる」
《ほんまに!?ウチ嬉しいわ〜!》

 正仁の投げやりに答え、それに喜びながら突っ込んでくる真衣。

 正仁は右腕の長刀を真衣に向かって投げ、それと同時に両腕のナイフシースを展開し短刀を両手に装備し吶喊する。

 まず真衣は長刀で正仁が投げてきた長刀を叩き落とすと、目の前に迫っている撃震の短刀を右ひじごとを切り裂く。剣道で言えば籠手をとった形に近い。そして勢いそのままに右から迫っている短刀をその持ち手ごと先ほど同様に切り裂いた。
 だが正仁は止まらず、ロケット噴射のまま真衣に激突した。
 互いに歯を食い縛り衝撃に耐えるがさらなる衝撃が襲う。

《ぐっ!》

 勢いそのままにビルに衝突し、機体損傷を知らせる表示とアラートが響き、ビルと正仁に挟まれるという形となり身動きが取れなくなった。

「これで終わりだ!」

 どんな手段をとっても最後に勝てばよい!
 装備をすべて失った正仁に残された最後の手段、それは……

 跳躍ユニットをオーバーロードさせて自爆攻撃だった。








「結局、勝てなかったな……」
「そうだな……」
「何もできませんでした……」
「……良かった!」

 そこには学食で意気消沈している若者たちがいた。
 最終的に勝てなかった正仁、十秒どころか五秒すら持たせられなかった斑鳩、何もできずにやられた真壁、
いつものように喜んでるレグルスだった。

「まさか自爆直前に胸部ユニットが潰されるとは……」
「潰されたというよりは……」
「貫かれてたな。手刀で……」

 まるでお通夜のような空気が三人から醸し出されているが、これには理由がある。

「これで月詠さん相手に十連敗だな!」

 そう負け続けているのである。シミュレーターの訓練が始まってから、一度も真衣に勝てていないのである。
 何とか勝とうとバトルロイヤル形式の戦闘訓練で集団で撃破を目指したのだが、合流する前に襲われ消耗し、合流した後もなすすべもなく撃破された。

「……落ち込んでても仕方がない。切り替えていこう」

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