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SAO─戦士達の物語
MR編
百四十八話 暴飲、暴食、そして歓談
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不意に、首を傾げてどう言う訳か二枚目のニンジンに手を出した。再び咀嚼して数秒の後、また三枚目に手を出す。

「「「おぉ……」」」
「どうやら結論が出たみたいね、どう?おいしいでしょ?」
「あ、うっす!甘くて、軽く塩が効いてて美味いっす!」
「うん、分かってもらえたなら結構。これ、ちょっとだけ岩塩に近い調味料の素材を振ってあるの、良い舌ね」
ニコリと笑ってヤミは満足げにうなづく、視線を傾けると、興味深々といった様子でこちらを見ているシリカと、苦笑しながらもしっかりと皿に目を向けているアイリが目についた。

「さて、それじゃ改めて聞くけど……二人とも、どうせなら野菜も食べたらどう?おいしいわよ?」
「は、はい!」
「いただきまーす」
言いながら、二人は野菜をぱくつき始める。その様子を満足そうに見てから、ヤミはテッチに向き直る。

「悪かったわ、見本みたいに使って。ごめんなさい」
「あぁ、いや、いいっすけど……ニンジン、こんなに美味くなるんっすね」
「どれ?あむ……ほんと、ヤミ、これおいしいわよ」
「取ってきたの、貴女達だけどね?」
苦笑しながら答えた彼女もニンジンを一口食べると、少し笑って言う。

「まぁ、グリーン・スペンソニアの野菜は私も味見してたから。わざわざ取ってきたのに、食わず嫌いで口にも入れないっていうのはあれじゃない」
「それはそうよね……それにしても、結構手慣れたプレゼンだったじゃない?」
「うっす、ちょっと驚きましたけど」
「クスッ、ホント、ごめんなさい。……むかし、あんな感じで母さんたちに野菜食べさせられたのよ。これで一応八百屋の娘だから、その辺厳しくてね」
肩をすくめたヤミに、テッチが驚いたように食べる手を止める。

「え、八百屋っすか?」
「そーなの!ヤミのお家八百屋さんなんだよ!!」
「へーっ、それ初めて聞いたわ」
意外そうにリズも目を見開く、ちなみにシリカは、食べるのに夢中で話を聞いていないようだ。

「まぁ、そんなに話すようなことでも無いし、最近じゃもう珍しくなっちゃったけどね、と、リアルの話はここまで。野菜食べたら、お肉も食べなさいね」
「え?いいんですか?」
肉を食べるように推奨するような発言に、またしても意外そうにテッチが聞き返す。それにヤミは少し笑って答えた。

「いいも何も、BBQで肉食べずに何食べるのよ。それにね、テッチ君、野菜で舌を休めながら食べると、肉もよりおいしく感じるの。「バランスよく食べる」って、そう言う意味でもあると思うわよ?」
「成程、流石っす!」
そう言って再び肉をぱくつきだすテッチとアイリを見ながら、ヤミは再びクスリと笑う。
と、不意にリズが耳打ちをした。

「……そう言えば、ヤミが食材屋やってたのって、だからなの?」
「え?
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