MR編
百四十八話 暴飲、暴食、そして歓談
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そう言えば結構ちゃんと思い出せるけど、なんでだろ……」
首を傾げるリーファになんとも微妙な気分になりながら苦笑するタルケンはなんとなく、リーファとレコンを見比べながらフッと考えた。
「(あれ?実はレコンさんも案外向こう側なのでは……?)」
────
一方その頃、会場各地ではやや舌の肥えた者達による料理談義もちょっとした者になり始めていた。
「んん!?この香り……」
「お、なんだよノリちゃん、此奴の良さがわかんのかい?エギルが持ってきたんだが、いい感じのなんつーか、まろみっつーの?それと香りがあってよう」
ツボのような形の酒甕を持ち上げて、スンスンと匂いを嗅いだノリが驚愕の表所で目を輝かせるのに、様子を見ていたクラインが聞く。すると、彼女は大いに嬉しそうに甕をパンパンと叩いた。
「わかるもなにも!此奴はアタシが大好きな古酒にそっくりだよ!どうしたのさこれ!?」
「あぁ、それか。沖縄の酒に香りが似てるんで、今回に合わせて調達してきたんだ、気に入ってもらえたんなら、入手先を教えるか?」
答えたエギルに、若干引くような高速でノリがうなづく。
「頼むよ!アタシはこれが大好きなんだよ……!」
「おっ」
言いながら、ノリはトクトクと音を立てて氷の入ったジョッキに三分の二程度の量の酒を注ぐと、傍らにあった水差しから水を注いで手早く水割りを作る。少しジョッキを回して全体を馴染ませると、一気にそれを飲み干した。
「おぉっ」
「ほぉ、良い飲みっぷりだな」
「かはーっ!良い!染みるぅ!!酔えないのがほんとに残念だねぇ!」
「お、おいおい!俺のも残してくれよ!」
言いながら二杯目を注ぎ始めるノリに、一人で飲み干される危険性を感じてクラインもジョッキを取り出す。肉を焼く手を止めたエギルも、自前のグラスにクラインから酒を注いでもらう。
「なんなら改めて乾杯でもするか?」
「おっ、んじゃぁまたこの出会いに乾杯か?」
「そんなんじゃあ繰り返しさ!新しい酒飲み仲間に!」
まるでバイキングか何かのように、大声でグラスを掲げたノリを見て、エギルとクラインは一瞬目を見開く、何時かプレイした北欧を舞台にしたファンタジーゲームや映画の一シーンが、脳裏に木霊する。
大柄な男たちと、負けず劣らず豪快な女の、二度目の杯……
「おうよ!」
「良き出会いと友に!!」
「「「乾杯!」」」
ガシャン!という盛大な音が、肉の焼ける匂いと共に木霊した。
────
さて、年長者たちが酒盛りをする中、タルケンと同じく凄まじい勢いで食事を平らげている一角が居た。
「はむっ、まぐ」
「んぐっ、もぐ」
「アンタたち、ホントによく食べるわね……」
呆れ顔のリズの目線の先で次々に肉を平らげて行くのは、シリカとアイ
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