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勇者番長ダイバンチョウ
第19話 命を懸けた脱走! 昨日の敵は今日の友
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のかは判別しづらい。

「バンチョウ。このカプセルの中が見たいんだが」
【任せろ】

 番の頼みを受けバンチョウはカプセルを解析する。カプセルの中が鮮明に映りだした。中には人が入っていた。
 年からして番と同じ年代の、若い男性が其処に入っていた。

「な!!・・・ま、守!? 何で、守が此処に居るんだよ?」
【私が保護していたんだ。彼は私の・・・命の恩人だからな】
「命の恩人? どう言う事だよ。大体、それじゃ今まで学校に来ていた守は一体?」
【それは、私が擬態していた姿だ】
「お前だったのかよ? 道理で最近の守の様子がおかしいと思ったら・・・でもよぉ、一体何で守が命の恩人なんだ?」
【話は後だ、今は此処から脱出する事だけを優先するべきだ】

 気にはなるが確かにイインチョウの言う通りだった。聞きたい事は山ほどあるが今は此処から一刻も早く脱出して地球に戻らなければならない。
 こうしている間にもゴクアク組の連中が悪さをしているかも知れないのだから―――

【やはり此処に居たか!】

 声と共に、突如として複数の人影が姿を現した。宇宙警察の面々と、それらを統括する総司令官のジェネラルだった。

【ジェネラル!】
【レオン、貴様には失望したぞ。まさか重犯罪人であるバンチョウ星人と地球星人を脱獄させようととはな。宇宙警察の歴史に泥を塗る行為をしおって!】
【ジェネラル、貴方こそ宇宙警察の歴史に泥を塗る重犯罪者だ! 正義を司る者でありながら悪のゴクアク組と結託し、奴らの悪行を黙認する行為。それを悪と言わないのか?】
【だから貴様は青いのだ。正義を執行する為には悪の存在が必要。いわば奴らは必要悪と言うのだよ。それにな、奴らが居れば私の目的の達成が早まるのだよ】
【目的? 貴方の目的は一体―――】
【無論、野蛮な原住民である地球星人の抹殺だ!】

 ジェネラルの口から放たれた衝撃的な発言。
 地球星人の抹殺。その為に彼はゴクアク組と結託し、彼らを地球へ派遣していたと言うのだろう。
 全ては彼の思い描いた正義の為。だが、それでは余りにもあんまりだった。

【狂ってる・・・正義の為にあの青い星の住人を皆殺しにすると言うのですか?】
【これも正義の為だ。奴らはいずれこの広大な宇宙を脅かす存在になりかねん。故に奴らが未熟な内に処理するのだ。これも宇宙警察の務めなのだぞ】
【違う! 私の信じて来た正義とは、力無き人々を守る為の盾となる事! 貴方の様な一方的な正義とは違う!】
【おしゃべりは此処までだ。裏切者レオン、並びに重犯罪者であるバンチョウ星人と地球星人の処刑を今此処で執り行う!】

 ジェネラルの命令を受け、大勢のイインチョウに似た奴らが横一列に並ぶ。
 正義とは、悪とは、何を信じて、何を目指して行け
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