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勇者番長ダイバンチョウ
第19話 命を懸けた脱走! 昨日の敵は今日の友
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い・・・
 これら一連の言葉に意味があるのか?
 否、全くない。しいて言えば、牢獄の中で身動き一つ取れない番とバンチョウの二人で暇つぶしのしりとりをしていた時の言葉なだけだったりする。
 相も変わらず鉄格子には高圧電流が流れている為に触れる事も出来ない。
 更に言えば両者ともエネルギーが既に底を突きかけているが為にまともに動く事すらままならない現状。
 
「腹減ったなぁ・・・」
【俺もだ、ったく! 看守の奴ら・・・けちけちしねぇで腹いっぱい飯食わしてくれりゃ良いのに、しかもその度に出される飯がクソ不味い奴だしよぉ・・・】

 二人して腹の音を鳴らして腕一本動かせないままただただ無駄に時が過ぎ去っていく。本来ならば気合と根性うんぬんで抜け出そうとするのだろうが、火も燃料がなければ燃え上がる事は出来ない。湿気たちぢれ火以上に燃え上がる事は出来ない。
 流石の番長もこうなればお手上げ状態であった。

【何時もの威勢はどうしたんだ? お前にしては随分と大人しいじゃないか】

 聞き覚えのある声が鉄格子越しに聞こえて来た。それと同時にバンチョウ目掛けて何かが投げ込まれてきた。
 見れば、それは今まで食べて来たのと同じエネルギー補給用のキューブだった。
 だが、今投げ込まれたのは七色に輝く美しい色をしたそれとなっている。
 今まで食べて来た白一色の不味いそれとはどうやら違う。

「何だ? こりゃ」
【腹が減ってるんだろ? とりあえずそれでも食って気合を入れ直せ】
「っつってもよぉ・・・これクソ不味いんだよなぁ」

 愚痴りながらも腹は正直なもの。
 投げ込まれたそれを迷う事無く口の中へと放り込み、数回咀嚼した後に音を立てて飲み込んだ。
 
「う・・・美味ぇ!! 何だこりゃ!?」
【たまんねぇ! 味もそうだが一個当たりに取れるエネルギーも相当な量だ!さっきまで食って来たクソ不味い奴のと雲泥の差だぞこりゃ!?】

 形状とは打って変わりかみ砕いた七色のキューブが口の中で激しく踊り狂い二人の舌を激しく刺激していった。
 その刺激に番もバンチョウも大いに絶賛だった。

【美味くて当然だ。高官専用のエネルギーキューブなんだ。普通に考えて囚人であるお前にくれてやる代物じゃないのだからな】
「けっ、お上となりゃ食う物も違うってのかよ。って言うか、何でそんな上等なもんを俺に投げ入れてくれたんだ?」

 鉄格子越しに互いに見合うバンチョウとイインチョウ。先ほどあれを投げ入れてくれたのはイインチョウに他ならなかった。
 
【動けるか?】
「あぁ、さっきの奴のお陰でどうにか動ける位にはエネルギーが戻ったみたいだぜ」
【なら、さっさと出る準備をしろ。今、鉄格子を開く】
「何だ? 釈放してくれんのか?」
【嫌、釈放
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