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勇者番長ダイバンチョウ
第19話 命を懸けた脱走! 昨日の敵は今日の友
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きた悪とは何処か違う。
 そう思えていた。

【教えてくれ、何故お前達はあの星を守る為に戦っているんだ?】
「別に俺は地球を守るだとかそんな理由で戦っちゃいねぇよ。ただ、奴らが喧嘩を売って来たからそれを買ってた。それだけの事だ」
【成程、如何にも貴様らしい答えだな。それは、其処に居るバンチョウ星人も同じ事なのか?】
【まぁ、結論からしちゃそうなるだろうな。だがなぁ、あの星は本来俺が最初に唾を付けたんだ。後からやってきて横取りしようとするゴクアク組の野郎が許せねぇ! だからこうして今の所は協力して戦ってるだけなんだよ】

 バンチョウ星人とて正義だ秩序だの為に地球で戦ってた訳ではない。
 本来なら、彼も侵略者だったのだから。
 だが、彼が侵略行為を行うよりも前にゴクアク組の連中が行動を起こしてしまった。完全に出遅れてしまったバンチョウ星人は仕方なく地球を守る為の戦いを行う事となってしまった。
 言い方を変えれば偶然に他ならない。

【やはり、お前達は何処か違うな】
「違うって、何ががよ?」
【私が今まで戦い、逮捕してきた悪人たちは皆お前達と同じ悪人だった。だが、奴らは皆己の私利私欲の為に悪事を重ねて来た奴らだったが、お前達は違う。まるで、大切な何かを守る為に敢えて悪に徹しているようにも見える】
「難しい事は良く分からねぇけどよぉ。俺はただ単に自分の家に土足で入られて好き勝手されるのが嫌なだけだ。言っちまえばあの地球は俺の家みてぇなもんだ。それを勝手にやってきて好き放題されるのは我慢ならねぇって話なんだよ」

 星が家か―――
 思わずイインチョウは笑みを浮かべてしまった。
 成程、そう言う考え方もあったんだな。つまり、こいつらは自分の家を守る為に今までゴクアク組と対峙し続けていた。
 そう言う事になるようだ。

【話は以上だ。時間をかけてしまって悪かったな】
「気にすんな。どうせやる事もねぇんだしよ」
【もうじき貴様の裁判が行われる。その時には、微弱ながらも私も弁護しよう】
「おぉ、期待しないでいるぜ」
【あぁ、せいぜい期待しないでくれよ】

 


 話を終え、囚人用牢獄を後にしようとしたイインチョウの耳に、看守たちの話声が聞こえて来た。
 他愛ない会話のようにも聞こえたが、何故かイインチョウはその話声に聞き耳を立ててしまった。

「あのバンチョウ星人と地球星人の処遇ってどうなる手筈なんだ? またジェネラルの意向で秘密裏に釈放させるのか?」
「いや、どうやら今回はそうじゃないらしいぞ。なんでもあのバンチョウ星人と地球星人はジェネラルと仲の良いゴクアク星人が目の上のたんこぶ扱いしてる連中らしいからな」

 何だと!?
 聞き捨てならない内容にイインチョウは思わず立ち止まった。
 囚
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