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勇者番長ダイバンチョウ
第19話 命を懸けた脱走! 昨日の敵は今日の友
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一人前になる為には非情さも身に着ける事だ」
「はい、心得ています」
「ならば良い。此処太陽系は銀河系に置いても辺境の地になっている。生命の居る星は極めて少ないだろうが、それでも銀河系から見れば数多ある星の中の一つに過ぎない。その星一つの為に全宇宙を見捨てる訳にはいかんのだ」
「・・・・・・」
「話は以上だ。次の任務に備えて待機していろ」
「・・・了解・・・しました」

 腑に落ちない気持ちを抑えつつ、イインチョウはその場を後にした。自分の立場では幾ら進言しても無駄な事だ。
 全ては総司令官の支持の元に決定される。一偵察員程度のイインチョウにはそれに異を唱える事すら許されていないのだ。

「随分と仕事熱心な若者じゃないか」
「かも知れませんな」

 言葉と同時にジェネラルの目の前の空間が歪みだす。歪みは次第に大きくなり、巨大な空間の穴が開きだした。
 その空間の穴から一人の宇宙人が姿を現した。
 ゴクアク星王その人だった。

「彼が居れば未来の宇宙警察は明るいねぇ」
「だが、奴は正義感が強すぎる。それでは人を守る事は出来ても世渡りは出来ないな」
「あんたみたいに・・・か?」

 下卑た笑みを浮かべながら問いかけて来るゴクアク星王にジェネラルは静かに頷いた。
 
「あんたとこうして繋がりを持てた事でこっちは仕事がやりやすくて助かるよ。あんたが裏で根回ししてくれてるお陰で家は勢力を伸ばし、例え組員が捕まってもあんたが秘密裏に釈放してくれる。その見返りとしてあんたにはこれを差し出すって訳だ」

 懐から取り出した物。それは黄金色に輝く塊だった。それを手に取りジェネラルは暫し眺めた後、自らの懐へとしまい込んだ。

「今回の納期は随分と少ないな。やはり地球でのあの騒動が原因か?」
「その通りだ。あいつらのせいでこっちは商売上がったりなんでねぇ。あの星は良い金になる。あの星自体高値で取り引き出来るし、地球製の宇宙麻薬はそれこそ飛ぶように売れる。何としてもあの星を俺達の手で押さえておきたい。だが、その為にはあのダイバンチョウが邪魔なんだ!」
「それなら心配ない。奴は今我らが逮捕してある。無論、その後の手筈も既にしてある」

 そう言って、ジェネラルはダイバンチョウに関する資料を手渡した。ゴクアク星王はそれを一瞥した後、ニヤリと笑いを浮かべだした。

「地球のゴタゴタを全部あのダイバンチョウに押し付けて、宇宙の秩序と平和の名の下に奴を処刑する・・・ジェネラル、あんたも相当な悪だねぇ。正義って言葉も使いようによっちゃ悪にもなる」
「正義とて万能ではないのだ。時として貴様みたいな悪党とも手を組まねばならない。まぁ、我らとしては見返りさえ貰えれば構わんのだがな」

 両者は互いに黒い笑いを浮かべつつ、互いの腹の
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