第二十三話
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「俺の昔話を調べる為に俺に魚雷を教えてほしいとか、理論が色々崩壊してるだろ。」
木曾はなかなか冷たく言い捨てた。けっこう心に来るものがある。
だけどな、んなことぁわかってるさ。
「知らねぇよんなことは。俺が雷撃がクソ程苦手なのは事実だし、それを出汁にされて摩耶さんに追い返されたのも分かる。それを元凶に助けを求めるなんてもっての他なんてこともわかってる。」
「……なかなか口がわりぃなぁおい?」
木曾は少し頭に来たようで、顎を上げて威圧してくる。眼帯と合わさってなかなか怖い。
だけど、怖じ気付く訳にもいかない。
「だけど、雷撃を練習しなきゃとは思ってた訳だし、そもそも俺がこんなことに巻き込まれたのは、お前が俺にこんなことを言ったからだろ?」
「そりゃあ……そうだけどさ。」
実際にあの時、今回の件を提案したのは木曾だ。さらに言えばあそこで俺が入渠しているのに入ってきた木曾が悪い。
「だけど、だからといって普通俺に頼むか?他にも雷撃が得意な奴いるだろ。」
ほほぅ?テメェは俺にあの北上や大井に教えてもらえと?会話事態が成り立つかどうか怪しいのに。
俺は少し頭に来たので、俺も木曾を睨み付ける。
「知ったことかよ。ただ、俺はそんなことは聞いちゃいねぇよ。」
「あ?」
木曾も怪訝そうに睨み返してきた。
「俺はお前に雷撃を教えて貰いたい。強くなりたい。摩耶さんに勝ちたい。」
「…………。」
「まだ着任してそんなに時間が経ってないけどさ、あんな感じで試されてる感じがだいっ嫌いだ。」
実は、ここに来る前に一回自分の部屋に戻って、ドラム缶に八つ当たりをしてから来たところだ。かなりムシャクシャしてた。
…………蹴りまくってたドラム缶から悲しそうな目をした妖精さんが出てきたときは本当に申し訳なかった。
「だから、他の奴じゃなくてお前のところに来たんだが……まぁ、それはどうでもいい。」
「…………?」
俺はここでの短い鎮守府生活の中で、確信していることが何個かある。その中のひとつだが……。
こいつは、頼まれたことは確実にしてくれる。
木曾はその立場にしろ実力にしろ、なかなか頼られることの多い奴だ。それらを全部こなしていたんだ。
天龍とのトレーニングから、球磨多摩とのスキンシップ(最早ペットを飼っている感覚らしい。)、提督からの事務作業か駆逐艦の世話まで。なんでもだ。
そんな木曾が、頼みを聞いてくれない訳がないと思ってここに来たんだ。
まぁ、その理由が半分で、もう半分は他の奴らが正直絶望的だったから。つまり、消去法だ。
ま、消去法だろうがなんだろうが、
「
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