367部分:第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその十八
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第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその十八
「ですがお陰で無事成功しました」
「そうだろ。よかっただろ」
「腹話術だな」
「そうだな」
夏侯惇も夏侯淵もこのことはすぐにわかった。
「何かと思ったが」
「それか」
「いえいえ、これは私のもう一人の相方です」
程cはあくまでそういうことにする。
「多少口が悪いのが困りものですが」
「そうみたいね」
曹操は笑って彼女に合わせた。
「けれどこれで賊は捕まったわね」
「はい、ガルフォードさんや斬鉄さんが活躍してくれましたし
「あの二人も使ったのね」
「身のこなしが盗賊を思わせるものでしたので」
だからだというのである。
「半蔵さんも」
「忍者をなの」
「あの人達は忍者というのですか」
「そうよ。あちらの世界にはそうした者達もいるらしいわ」
「それでああした動きをされるんですか」
「そうみたいよ。そういえば郭嘉も」
「はい」
郭嘉への話にもなった。
「ブライアンや王虎、それにロイ達を使ったそうね」
「あの人達は百人に匹敵する力があると思いましたので」
郭嘉も答える。
「実際には百人力どころではありませんでしたが」
「二人共人を見抜く目もあるのね。わかったわ」
そうしたことも確かめて言う曹操だった。
「二人共合格よ」
「えっ!?」
「そうなのですか」
「我が曹操軍の軍師に任命するわ」
「ああ、身に余る光栄です」
「誠心を以てお仕えします」
そしてであった。曹操はふと郭嘉に声をかけた。
「ところで郭嘉」
「はい、曹操様」
「貴女の服だけれど」
彼女のその服についての話をするのだった。
「それは自分で作ったのかしら」
「は、はい」
先程までは喜びでとろけそうな顔になり両手を握り合わせていたがすぐに直立不動になる。
「その通りです」
「そう。器用ね」
曹操はまずこのことに感心した。
「私もその服を着たくなったわ」
「曹操様が私の服をですか!?」
「ええ、それでね」
ここでさらに言おうとする曹操だった。
「よかったら私に仕立てて」
「曹操様が私の服を着られて・・・・・・」
また恍惚となった顔になって言う郭嘉だった。
「そのお肌に触れた服をまた私が着る。ああ、いけません」
「何だ?様子がおかしいぞ」
「うむ、何があった?」
夏侯の姉妹は彼女の異変に気付いた。
「妄想をしているようだが」
「大丈夫なのか?」
「その様なこと。私は常に貴女様に全てを捧げていますので・・・・・・」
こう言ってだった。ここでもやってしまった。
鼻血を噴き出して倒れた。郭嘉は血の海の中に倒れ込んだのだった。
「鼻血だな」
「うむ、そうだな」
夏侯淵が姉の言葉に頷いた。
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