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提督はBarにいる。
世界の米料理・パエリア編(1)
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してやるか。

 パエリア(地方によってはパエヤ、パエージャとも発音する)ってのは、スペインの米所であるバレンシア地方の名物料理で、米や野菜、魚介類、肉なんかを一緒に専用の鍋で炊き込んだ料理だ。日本で言う所の炊き込みご飯とか釜飯が近いイメージだな。名前の由来はバレンシア地方の言葉でいうフライパンの事だ。バレンシア地方の外にこのフライパンを使った調理法が伝わる内に、調理器具の名前としてではなく料理そのものの名前として浸透していった、って感じかな。

「ふ〜ん……じゃあ元々はシーフードは使わないんだ」

「そうらしいな。元は猟師が仕留めた獲物と野菜、米を塩とサフランで炊き上げた猟師飯らしいから」

 なので本場仕込みのバレンシア風パエリアは、ウサギの肉か鶏肉、いんげん豆、パプリカ、食用カタツムリなんかの山の幸がメインらしい。

「え、カタツムリ食べるの?」

「そりゃ食べるさ、エスカルゴとか高級品なんだぞ?それにサザエとかの巻き貝だって親戚だしな」

 実際、俺の友人はスペイン旅行で本場のパエリアを食べた時に食用のカタツムリだと気付かずに、美味い美味いと食べて後から知らされてリバースした……なんて奴もいたけどな。

「う〜……提督、カタツムリは入れないでね!?」

「安心しろ、食用のカタツムリなんざ高級すぎて仕入れられんわ」

 そして、何よりのパエリアの特徴がパエジェーラと呼ばれる専用の鍋だ。両側に取っ手があり、平底で浅くて丸いフライパン……パエリアをイメージした時に出てくるあの鍋だ。こいつで具を炒め、米と水、そして米に黄色い色を付けるサフランを入れて炊き上げる。この時、具材を蓋代わりにするってのも大きな特徴だな。ちなみにだが、パエリア通を気取る奴の中には『パエリアの米はパスタ同様、中に芯が残るアルデンテに仕上げる物だ』という輩が居るらしいが、本場バレンシアのパエリア職人(本場にはパエリア専門の職人がいるのだ)に言わせれば芯が残るのは素人の炊き方で、芯が残らず、かといってベチャベチャにもならず、日本のご飯のようにふっくらと炊き上げるのが一流らしいぞ。尚且つ、ソカラ(おこげ)も出来れば最高らしい。

「ふ〜ん、勉強になったね!」

「でも話聞いてたらお腹空いちゃった……提督、早く作って〜!」

 涙目の照月にお願いされちゃあ敵わねぇな。んじゃ、とっとと作るとしましょうか。




《日本風にアレンジ!基本のチキンパエリア》※分量4人前

・米:2合

・鶏のぶつ切り肉(無ければモモ肉):400g

・玉ねぎ(大):1個

・にんにく:1片 

・パプリカ:1個※またはピーマン2個

・サラダ油:大さじ3

・コンソメキューブ:3個

・塩、胡椒:適量

・パセリのみ
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