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SNOW ROSE
花園の章
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 そう夫妻へ言われたネヴィルとワッツは、互いに顔を見合せ微笑し、こう言葉を返したのであった。
「お二方はお客様ですので。」
 二人にこう言われて断るのも些か気が引け、夫妻は苦笑しつつ「では、お願い致します。」と言って、軽快に歩く二人の後ろへと着いていったのであった。

 数時間後のことである。レヴィン夫妻はネヴィルの客人として、晩餐の席へと着いていた。
 テーブルにはこの家の住人が顔を揃えており、恰も小さな宴の様な雰囲気があった。
 だがその様な時、不意に玄関の呼び鈴を鳴らす音が響き、主であるネヴィルが「この様な時刻に誰かな?」と言い、直ぐ様玄関へと行ってその扉を開いたのであった。
 するとそこには、兵士らしき青年が立っており、ネヴィルを大いに驚かせたのであった。
「ネヴィル・リチャード氏の御自宅に間違いありませんか?」
「そうですが…。しかし、この様な時刻に、一体どんなご用件で…?」
 訝しく思ったネヴィルが兵士らしき青年へと尋ねると、その青年は直ぐ様返答を返してきたのであった。
「ここへヨゼフ・レヴィン氏と、その奥方のエディア・レヴィン氏が居られると聞きましたが、間違いありませんか?」
「ええ、確かに我が家へお越しですが…。」
「では、御夫妻にはご同行願いたい。アンドレアス・シュルツ・フォン=プレトリウス様のご命令にて、御夫妻を街長の館へお連れするよう命じられております故。」
 この言葉を聞き、ネヴィルは目を丸くして言った。
「今からですか!?明朝でも宜しいのでは?」
「いえ。直ぐにお連れするようにとの命ですので。」
「そうですか…。では、これから御夫妻へ伝えてきますので、暫しお待ち願いたい。お二方とも食事の最中でして、支度に時間を頂かなくてならぬと思いますので。」
「結構です。では、私は馬車で待っておりますので、出来るだけ早く願います。」
 そう言い終えると、その青年はネヴィルに背を向け馬車へと戻った。ネヴィルは玄関の扉を閉めるや、直ぐ様レヴィン夫妻へとこの事を告げたのであった。
「大公様のご子息が私共を…?」
「ええ。直ぐにとの命で、外へ馬車が待たせてあります…。」
 夫妻はそれを聞くや、早々に席を立って出掛ける支度を始めた。夫妻は支度が済むと、ネヴィルやアリス、そしてワッツやそこへ住まう人々へ挨拶をし、直ぐに馬車へと乗り込んだのであった。
 その時レヴィン夫妻は楽器を持たず、礼装しただけで大公子息の元へと向かった。再びネヴィルの家へ戻ってくると考えたからである。もし大公子息が音楽を所望したとしても、これから行く街長の館に楽器があることは分かっており、故にレヴィン夫妻は礼装したのみで荷物を一切持って行かなかったのであった。

 さして時も掛からず、大公子息が待つ街長の館へと着いた。。
 案内の兵士
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