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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十一話 魔法
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色と、四季があることに驚いたのが去年のこと。

 アタシの出身世界は桜がなくて、四季がない。

 毎年温暖な気候で、ある時期に雨が降り続いて、ある時期にその時期だけの植物が咲いたりする世界だった。

 だからこの世界に来て、一年に四回も大きく季節が変わることに驚いた。

 そして同時に、季節の終わりが切ないことを知った。

 特にこの時期、この季節。

 春の桜が咲いて、そして散っていくこの時期。

「……あっという間、なんだね」

 時間はゆっくりと、だけど確実に進んでいる。

 黒鐘先輩と再会した、桜の咲いていた時期から時間は進んでいて、もうすぐ全ての桜が散り終わる。

 同じままではいられない。

「柚那も私も、変わっていく」

「うん」

 お姉ちゃんの言葉が、心に染みていく。

 アタシたちは変わって、いつか何かになる。

 お姉ちゃんはきっと道場を継いで、アタシはその補佐をする。

 ――――本当にそれでいいのだろうか?

 今、黒鐘先輩に対する気持ちすら曖昧な私が、本当にそんな未来に行き着くのだろうか?

「柚那」

「なに?」
 
 数歩早足で私の正面に立ったお姉ちゃんは、春の向かい風に髪をなびかせながらこちらを見つめる。

「黒鐘のこと。 道場のこと。 全部、答えは一つじゃないから、色々考えて答えを出して」

 それは真剣だけど、厳しさよりも優しさを感じさせる、お姉ちゃんの顔だった。 

 お姉ちゃんの言葉が風に乗ってアタシの全身にぶつかって、アタシの中にあるモヤモヤしたものを振り払っていったような気がした。

 ああ、お姉ちゃんは分かっているんだ。

 アタシが何に悩んでて、どうして答えがでないのか。

 そんなアタシにお姉ちゃんなりの言葉で伝えてくれたんだ。

「うん。 ありがとう、お姉ちゃん」

「ふふ。 帰ろ?」

「うん!」

 アタシは小走りでお姉ちゃんの隣に向かい、また肩を並べて歩き出す。

 もしかしたら将来、こうしていられなくなるかもしれない。

 未来は何もわからない。

 春の次が夏になるような、確定した未来はアタシたちにはない。

 春からいきなり冬になったりする。

 もしかしたら四季そのものがなくなるかもしれない。

 そのくらい、アタシたちの未来は分からなくて曖昧だ。
 
 なら、こうしている時間は大事にしたい。

 そして大事にしているものは、大切にしたい。

 だから、

《雪鳴! 柚那! ジュエルシードが見つかったからすぐにアースラに来てくれる?》

「ユーノの念話……」

「うん。 お姉ちゃん、行こっ!」

「ええ」

 だからア
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