暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十一話 魔法
[2/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
姉ちゃんも同じで、少し離れたところから響いた怒声の方を向いた。

「アンタ、あたしたちの話し聴いてるの!?」

 再び響く怒声。

 そこに視線を向けると、アタシのクラスメイト三人が視線を集めていた。

 高町 なのはさん。

 月村 すずかさん。

 そして怒声を出していたアリサ・バニングスさん。

 三人ともクラスでも有名な三人組で、こうしてアリサさんがキレてる所を見るのも珍しくない。

 だからか、見慣れている同級生の人たちは『なんだ、また喧嘩か……』と呆れ混じりの様子で下校していった。

 知らない人達が何事かと野次馬となっている。

 アタシとお姉ちゃんも見慣れているけど、野次馬になった。

 それには理由があって、

「私たちのせいね」

「お姉ちゃんもそう思う?」

「ええ」

 喧嘩している時期や、私たちの共通の事情を考えればきっと、高町さんが怒られているのはアタシたち『魔導師』のせい。

 ここでアリサさん達の中に介入しても、火に油を注ぐだけになるという考えは、アタシたち共通の理解になった。

 だから高町さんには申し訳ないけど、アタシたちは野次馬にも仲裁側にもなれず、逃げるように背を向けて歩き出した。

 こんな時、黒鐘先輩だったらどうしたんだろう?

 あの中に飛び込んで、解決させてしまうのかな?

 自分に責任があると理解していながら。

 アリサさんの怒りが増すだけになるかもしれないとしても。

 それでも黒鐘先輩だったら、解決させてしまうのかな?

 できるのだとしたら、一体どんな言葉を放つのだろう?

「……柚那?」

「え?」

 俯き、タラレバのことばかりを考えていると、お姉ちゃんがアタシの顔を覗き込んできた。

「心配事?」

「う〜ん……タラレバのことを考えてた」

「タラレバ?」

 お姉ちゃんと肩を並べて歩きながら、考えていたことをそのまま話した。

「黒鐘先輩だったら、こんなにモヤモヤすることをしないのかなって。 ほら、黒鐘先輩って無視するの苦手だし」

 風を使う魔導師のアタシが、アリサさん達の空気を読めない情けなさを感じながら。

 アタシのような力がないのに、空気を読んで動ける黒鐘先輩。

 劣等感を感じることを素直に話すと、お姉ちゃんが珍しく笑った。

「ふふ」

「な、なに?」

 別に笑わせるつもりで話したわけじゃないだけに、突然笑われたことにアタシは首をかしげる。

 するとお姉ちゃんは不敵に微笑んで私を見つめる。

「柚那、口を開けば黒鐘のことばっかり」

「な……っ!?」

 な、ななな……っ!?

「なななななっ!?」

「思
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ