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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十一話 魔法
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姉ちゃんも同じで、少し離れたところから響いた怒声の方を向いた。
「アンタ、あたしたちの話し聴いてるの!?」
再び響く怒声。
そこに視線を向けると、アタシのクラスメイト三人が視線を集めていた。
高町 なのはさん。
月村 すずかさん。
そして怒声を出していたアリサ・バニングスさん。
三人ともクラスでも有名な三人組で、こうしてアリサさんがキレてる所を見るのも珍しくない。
だからか、見慣れている同級生の人たちは『なんだ、また喧嘩か……』と呆れ混じりの様子で下校していった。
知らない人達が何事かと野次馬となっている。
アタシとお姉ちゃんも見慣れているけど、野次馬になった。
それには理由があって、
「私たちのせいね」
「お姉ちゃんもそう思う?」
「ええ」
喧嘩している時期や、私たちの共通の事情を考えればきっと、高町さんが怒られているのはアタシたち『魔導師』のせい。
ここでアリサさん達の中に介入しても、火に油を注ぐだけになるという考えは、アタシたち共通の理解になった。
だから高町さんには申し訳ないけど、アタシたちは野次馬にも仲裁側にもなれず、逃げるように背を向けて歩き出した。
こんな時、黒鐘先輩だったらどうしたんだろう?
あの中に飛び込んで、解決させてしまうのかな?
自分に責任があると理解していながら。
アリサさんの怒りが増すだけになるかもしれないとしても。
それでも黒鐘先輩だったら、解決させてしまうのかな?
できるのだとしたら、一体どんな言葉を放つのだろう?
「……柚那?」
「え?」
俯き、タラレバのことばかりを考えていると、お姉ちゃんがアタシの顔を覗き込んできた。
「心配事?」
「う〜ん……タラレバのことを考えてた」
「タラレバ?」
お姉ちゃんと肩を並べて歩きながら、考えていたことをそのまま話した。
「黒鐘先輩だったら、こんなにモヤモヤすることをしないのかなって。 ほら、黒鐘先輩って無視するの苦手だし」
風を使う魔導師のアタシが、アリサさん達の空気を読めない情けなさを感じながら。
アタシのような力がないのに、空気を読んで動ける黒鐘先輩。
劣等感を感じることを素直に話すと、お姉ちゃんが珍しく笑った。
「ふふ」
「な、なに?」
別に笑わせるつもりで話したわけじゃないだけに、突然笑われたことにアタシは首をかしげる。
するとお姉ちゃんは不敵に微笑んで私を見つめる。
「柚那、口を開けば黒鐘のことばっかり」
「な……っ!?」
な、ななな……っ!?
「なななななっ!?」
「思
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