暁 〜小説投稿サイト〜
この凄まじいセカイに祝福を?(カズマがサッキュバスにヤられたり、触手の化け物や両性具有の天使にガチ堀されて出産する話)
71稀人
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

 魔王城
「まさかこんな? こんなに簡単な事だったなんて?」
 一瞬正気を取り戻し、ベランダで立ち上がって有り得ない光景を見渡したウィズ。
 今までは全戦全敗、退却の仕方だけ上手くなって、逃げ出す潮時を覚えさせられたが、天使側の軍勢が撤収していくのを見るのは初めてだった。

 まだ生きていた魔獣や妖魔たちも、故郷に帰って仲間にもこの事実を伝えてから消えようと思っていたが、耐えきれずに身体の端から石化や塩化が始まり、安楽に成仏して行く者が多かった。これまで延々見せられて来た殺戮や浄化の逆である。
 城壁を破壊して周り、外堀を潰した城壁で埋め、歩兵の妖魔や小型の魔獣を招き入れていた巨大な魔獣の大半は自壊して、満足したのか許されたのか、塩の柱となって崩れて行った。
 あれほど激しかった神の雷もピッタリと止み、暗雲が消えて雲間から光が差し始めていた。
 剣や槍を振りかざすと、寸分違わず落ちてきた雷。手にした武器から電気がよく通る塩と鉄が入った水袋を通過してジュール熱で焼き切り、天使に歯向かった者に神罰を下す浮遊兵器。勇敢で恐れを知らない者から真っ先に討ち取られた。
 神の雷に焼かれずに済む正しい方法は、天使の軍団に可能な限り肉薄して、雷を受ければ共倒れになる所まで接近して鍔迫り合いするのではなく、武器も鎧もナイフ一本まで捨てて、見栄えや格好など気にせず、逃げ出して隅で震えていれば良かったのだとようやく気付かされた。
 下級天使達はそのまま去り、大きさがある妖魔も翼を広げて飛び去ったり、転移魔法を使って故郷に帰って行った。

 魔王城は天使の軍団が実力で攻め込んできた場所の中で、初めて撃退に成功した場所になった。
 もちろん力尽くではなく、セラフ1の言葉とドラゴンの少女の会話で戦う意志を失い、生命体が受け取る最終コード「次世代の生命が生み出されて、全ての亜人や魔物や天使達の記憶が保存された、夢の世界で永遠がある場所が、上の次元に送り出され、神の座に一歩近づいた」のを入力され、魔獣の肉体に塗り込められて罰を受けていた者や、喰われて取り込まれ苦しみ抜いていた者まで恩赦のように開放されて、呪われた肉体を自壊させて消えた。
 血を求めて暴れ狂い、言葉すら通じなくされていた各種妖魔も消え、下級天使まで満たされて消えて行った。

「勝てたのか? これで守り抜けたのか」
 城の主も、全ての戦場で負け戦と敗走を味あわされた天使の率いる軍団を、初めて追い返したのに驚いていた。
「叔父上、勝ち負けでは無いのです。天使と話し合い、愛し合う方法がやっと見つかったのです」
 これまでも、魔族の母親が泣き叫んで命乞いをして「この子の命だけは!」と懇願しても叶えられなかった対話や停戦。
 女でも子供でも顔色一つ変えずに殺し、虫けらでも踏み潰すように魔法で
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ