365部分:第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその十六
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第二十九話 郭嘉、鼻血を出すのことその十六
「名前だけれど」
「程cと申します」
「わかったわ。それじゃあ程c」
「はい」
「我々はこれからどうするべきかしら」
彼女に問うのはこのことだった。
「まずは」
「はい、政です」
程cが答えたのはこれだった。
「政をすべきです」
「兵を鍛え戦に勝つことは?」
「それはその後で宜しいかと」
程cはいつもと全く同調子で答える。
「まずは田畑を耕し町を栄えさせることです」
「それが天下の平定につながるのかしら」
「それをせずして兵は養えません」
その言葉は強くはないがしっかりとしていた。
「兵糧、そして資金なくしてはです」
「そうね。まさにその通りよ」
「戦はそれからでいいです」
この考えは変わらない。
「私はそう考えます」
「わかったわ。なら貴女には」
「はい」
「その町のことを頼むわ」
それをだというのである。
「既に田畑のことは人を回してあるし」
「人?」
「それは誰ですか?」
「韓浩という娘よ」
曹操はにこりと笑ってその娘の名前を話した。
「その娘が今しているのよ」
「開墾と治水ですか」
「その二つを」
「それに加えてね」
それだけではないのだという。
「屯田もしているのよ」
「屯田といいますと」
「何でしょうか、それは」
「いい質問ね。どうやら口だけではないようね」
二人が屯田という言葉に興味を持ったのを見てだ。曹操はまた微笑んだ。二人の反応は彼女にとっては合格であったのだ。
「それは兵に田畑を耕させるのよ」
「兵にとは」
「そうした方法があったんですか」
「ええ。兵に田畑を耕させいざという時は戦ってもらうのよ」
こう二人に話す。
「それが屯田なのよ」
「成程、それはいいですね」
「私もそう思います」
二人は説明を聞いて感心した顔になっていた。
「兵は戦場で戦うだけではない」
「田畑を耕すのも仕事ですか」
「そうよ。私の国では今それをしているのよ」
「袁紹殿は胡の者達を馬から下ろし領民としていますが」
「それに匹敵しますね」
「麗羽はそういうことは得意だからね」
袁紹の政治力についてはだ。曹操は決して甘く見てはいなかった。
「ただ。私も国を富ます義務があるのよ」
「はい、その通りです」
「それが牧の務めですから」
「そうよ。そして」
曹操はさらに言った。
「私は牧では終わらないわよ」
「ではその為にも」
「及ばずながら私達が」
「それじゃあお願いね」
曹操はまた二人の言葉を受けて話した。
「郭嘉は城壁を、程cは町をよ」
「はい、それでは」
「今より」
こうしてであった。二人は早速それぞれ与えられた仕事に取り掛かった。するとであった。
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