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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第604話】
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せたのを見たエミリアは憤りを見せるが、ソフィーが何とか宥める。


「こほん。 ヒルトさん、今回の視察旅行は大儀ですわね♪」

「ふふん、全くよ。 あ、ヒルト、あたし向こうで舞妓さんの格好してあげよっか? ね、セシリアも日本の舞妓、少しは興味あるでしょ?」

「うふふ、勿論ですわ。 日本の舞妓衣装に興味ありますもの」

「そうよねー、あはは♪」


 俺を間に挟み、盛り上がる二人だがその様子を見て割って入る子が居た――。


「セシリア、鈴、幾ら視察旅行だからってヒルトの独占は許さない」


 セラ・アーカニアンだ――いつも静かな彼女だが明らかに言葉に力を感じた。


「べ、別に独占するわけでは……」

「そうよ? 一緒の視察旅行で同じ班なんだから独占じゃないし」

「今独占するなら、私達の時は独占させないから」


 怒ってるのだろうか、言い終わるとセラは足早に戻っていく。


「……てかさ、視察旅行だけど今回は遊びじゃないだろ?」


 俺の至極真っ当な意見を目をぱちくりさせて聞く二人――今回の至極旅行、京都にあると目される亡国機業の拠点制圧が目標であると俺は刀奈から訊いている。

 無論俺達だけじゃなく、京都在住のIS部隊も参加する大規模作戦らしい、本来なら学生の俺達を使いたくないらしいが戦力的優位に立つ為だとか。

 難しい顔をしていると、ソフィーから開放されたエミリアが俺の前に立つ。


「ヒルトくん! 難しい顔をしないの! 何時もみたくニコッと爽やかに笑って♪」

「え? ……こうか?」


 歯を見せ、ぎこちなく笑う俺――と。


「違いますよぉ。 ヒルトさん、笑顔はこうするんですっ」


 ニコッと柔らかな笑顔を見せたソフィー・ヴォルナート、正直可愛かった。


「こ、こうか?」


 もう一度笑ってみる、セシリア、鈴音の二人も覗き込むが――。


「まだ少し堅いですわね?」

「ほら、こうやって笑顔を見せるのよ♪」


 ニコッと鈴音の決め笑顔、ポーズも決めて以前見せてくれたモデル写真みたいだった。


「あ! 笑顔なら負けませんよ、凰さん!」


 対抗意識を燃やしたのか、ソフィーは小さくジャンプすると左手を斜めに挙げ、左足を横に、ウインクし、きらり光る八重歯を見せ魅力溢れる笑顔を見せていた。

 ちょうど取ったポーズがアルファベットのKになっている。


「むぅ、エミリアだってヒルトくんをメロメロにさせるもんっ!」


 前屈みで上目遣いに俺を見上げ、両手でピースするエミリア――てか何の勝負だ、これ。


「あ、じゃあ僕はこうかな? こうやって、ターンしてからの……笑顔♪」
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