暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第51話「動き出す者達」
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?」

 そこには、Tシャツにジーパン、ぼさぼさになった髪の男性と、おそらく連れ込まれたであろう中高生程の少女がいた。
 ...そう。彼女は男性に路地裏に連れ込まれたのだ。おまけに、奥の人気のない方まで行き...まぁ、何かしらの暴行を働くつもりだったのだろう。

「た、助け...っ!」

「て、てめぇ、女の味方するってのかよ!」

「.....。」

 男性は、おそらく女尊男卑の風潮で職を失ったりしたのだろう。
 その恨みを、連れ込んだ少女にぶつけるつもりなのだろう。

「...知ってる奴なのか?」

「は....?」

「お前は、その子に何かされたのか?」

 もし、そうであるならば両成敗にするつもりだ。
 けど、そうでなければ...それはただの逆恨みになる。

「うるせぇ!女どものせいで、俺は...俺は!」

「だからって、無関係な人を巻き込むのか....。」

 人質にするつもりなのだろう。男性はナイフを少女に突きつける。

「遅い。」

「っ...!?」

 ...が、脅されるよりも前に懐に飛び込み、木刀でナイフを弾き飛ばす。

「俺も男だ。どんな目に遭ったのか、大体は想像できる。けどな...。」

「っ.....。」

「自分もやり返してちゃ、意味がないんだよ!」

 胸倉を掴み、俺はそういう。
 ...尤も、あいつに復讐しようとした俺が言えた事じゃないがな。
 復讐は、結局の所空しくなるだけだ。俺もそうだったし。

「くそっ、ガキが...!」

「悪いが、警察を呼んでくれ。」

「は、はいっ!」

 ずっとオロオロとしていた少女に、俺はそういう。
 ...雰囲気や態度からして、彼女は女尊男卑に染まってなかった子だろう。
 本当に、無関係な人をこの男は巻き込んだらしい。

「自暴になるのはやめとけよ...っと。」

「がぁっ...!?」

 鍛えている俺からすれば、一般男性程度なら抑え込める。
 殴ろうとしていた手を掴み、そのまま捻って関節技を決める。
 これで痛さで身動きが取れなくなっただろう。

「(....世界中のあちこちで、こんな光景が起きる事になるのか...。)」

 警察が来るまで、男性を抑えながらも俺はそう思わざるを得なかった。





「....予定より遅れたな。」

 早めに出たのだが、トラブルに首を突っ込んだため、少し遅くなってしまった。
 結局、あの男性は連行され、少女からは感謝される形となった。
 警察にも事情を聴かれたが、ただ通りすがっただけと言って、早々に切り上げた。

「.......。」

 なのはの実家に着き、俺はインターホンを鳴らす。
 しばらくすると、
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