暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第51話「動き出す者達」
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プ...つまり、これでも全力ではないという事か...。)」

 以前、恭也さんと桜さんの戦いを見た時も思ったが、やっぱり上には上がいるんだな。

「(だから、桜さんに勝つには、これぐらい...!)」

 俺が体で覚えた経験を総動員し、なのはの動きに対処していく。
 袈裟切り、刺突、横薙ぎ...。衝撃を徹す一撃を、全て受け流す。

「っ...!?対処された...?」

「...経験を、努力を積み重ね、全てを糧にする...。」

 かつて、一度桜さんに言われた事を呟く。
 俺は弱い。...だから、俺はその“弱さ”で勝つ。

「一度見た事のある...もしくは、それに類似した攻撃なら未知の攻撃でさえ、対処する...。それが俺の特技...らしい。」

「らしいって...自覚はないの?」

「他人に言われただけで、俺自身実感がないからな。」

 ちょくちょく攻防を挟みながら、俺はなのはとそんな会話をする。
 恭也さんの動きを見た事もあってか、対処はISでの試合よりもできている。

「まぁ、特技という実感がないだけで、実践できているのは分かっているが。」

「桜さんも、それがわかってて戦法を常に変化させてたからね。」

「やっぱり特技じゃん!」

   ―――御神流奥義之六“薙旋”
   ―――“羅刹”

 互いに強力な技がぶつかり合う。
 そして、それに競り勝ったのは....。

「...ギリギリ...か。」

「届かなかったか...。」

 なのはだった。俺は木刀を弾き飛ばされ、無防備になっていた。

「やっぱり、なのは相手にこの状態じゃ勝てないか...。」

「えっ?“この状態”って...。」

 首を傾げるなのはとマドカ。

「以前、桜さんにいつの間にか木刀を重くされていてな...。気づかない内に俺を鍛えられていたんだが、今回はそれを参考にしてな。」

「まさか....。」

 下に着ていた、特殊なインナーを脱ぐ。
 すると、そのインナーはインナーらしからぬ音で地面に落ちる。
 ちなみに、上は着たまま脱いだから、二人に裸は見せてない。...どうでもいいか。

「ええっ!?」

「あ、秋兄、ちょっと持ってもいい?」

「いいぞ。」

 以前、会社でグランツさんとジェイルさんに頼んでいたものだ。
 とある有名な漫画を参考にしてある。

「お、重っ!?何で出来てるの!?」

「俺にもよくわからん。ちなみに、それは50キロ程だ。」

 着ていたのは桜さんとの一戦以来。千冬姉を交えた会議の時もずっと着ていた。
 おかげで、不自然なく活動できるようになったが....ふむ。

「ぜぁっ!」

「っ!?」

 気合一閃。木刀を振
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